ブラジルのペースト・バターパ

日本ではあまり知名度が高くないお料理ですが、食べてみたら好きになる人が大勢いるに違いないブラジルからの一品です。
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干しエビ、ナッツ、ココナツミルクをパン粉でとろみを持たせたなんとも形容できない極楽フレイバーなペースト、バターパです!

バターパってなーに?
日本語では検索してもほとんどヒットしませんでしたが、バターパ(vatapa)はブラジルの北部および北東部でよく作られるお料理だそうで、シチューともソースとも表現されますが実態はペーストと呼ぶのが一番近いように思います。

いろいろレシピを検索しましたが英語でしか探せないので情報が偏っているかも知れません。その範囲で理解したところでは、干しエビ、ナッツ、たまねぎなどをフードプロセッサーで粉々にしてから油で炒め、ココナツミルクを加えたところにパン粉を加えて好みの固さにしたもの、という感じです。通常はエビや魚を添えて食べるもののようです。

「ちょっと興味あるけどやっぱ作るのは一度食べてからにしたい」という方は、アストリアで恐縮ですが36th Ave.駅近くのThe Malagueta Restaurant(HPにリンクしています。音注意。)というお店が個人的におすすめです。ブラジリアンレストランにありがちな「とにかく肉食いに来たんだろ?さあ鱈腹食いなされ」みたいな感じじゃなく、いろいろな料理がとてもおいしく、カイピリーニャなどのカクテルもデザートもすごくおいしくてパッションフルーツのムースはこちらのお店に触発されて作ってみました。

材料
いろいろネット検索してはみたものの見つかるレシピがまちまちで、首をかしげつつ作ってみました。ブラジル料理に造詣が深い方からのツッコミは大歓迎です。

干しエビ 1パック (2oz, 55gくらい)
たまねぎ 1/2個
にんにく 1かけ
オイル おおさじ1
スープ 100-150cc
無糖ピーナツバター おおさじ2-3、もしくはピーナツ50gくらい
カシューナッツ 1/3カップ (50g)くらい
ココナツミルク 1缶(400cc)
パン粉 1/3-1/2カップ
チリペッパー 2,3つまみ
塩、こしょう

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いやー、いつもながら初挑戦のお料理に取り組むときの高揚感いいわあ。

作り方
1)まずは干しエビを水に漬けて戻しましょう。

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干しエビはチャイナ系ではなくラテン系のものを使ってみました。近所のスーパーで「こんなんでほんとにおいしい料理になるのかよ・・・猫のオヤツとかじゃないのこれ。。」と不信してしまうくらい安く売ってました。

戻す時間はネットで調べたところレシピによって15分から一晩までとさまざまで、まったく戻さず乾燥したままフープロで粉にしろというレシピもある始末でした。
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判断材料が一致しないということは適当でいいってことだろうと解釈します。最初にエビを水に漬けといて、たまねぎその他の用意ができるまで浸しておくことにします。

2)たまねぎ、にんにくの皮をむき、ざっくりと切っておきます。

3)干しエビを水から上げ、軽く絞ってフードプロセッサーにカシューナッツ、たまねぎ、にんにくと一緒に入れます。

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中南米の干しエビは中華料理用の干しエビと違って、戻し汁は捨ててしまうらしいです。ダシが出てるはずだからもったいないような気がして戻し汁をちょっとすすってみましたが、やっぱたいしておいしくない・・・ていうか率直まずいわ。なんか生臭くて軽く苦い。戻し汁を使わない理由はわかったけど、なんでだこんなことになっているのか新たな疑問。

ここにさらにスープ(私は鶏がらスープを使いました)、ピーナツバターも加えて撹拌します。

日本でなら中華料理用の干しエビを使うことになると思いますが、その場合は戻し汁をスープとして使ってもいいんじゃないかと思います。

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ピーナツバターは非常に混ざりにくかったです。加えるスープを温めておくか、カシューナッツのようにピーナツをそのまま使ったほうが良さそう。

4)油を引いて熱した鍋に3)を移し、炒めます。

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ほんとはココヤシだかアブラヤシだかの油(palm oil, dende oil)を使うものだそうだけど、これは近所には売っていませんでした。飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が含まれていて体によくないという情報もあるしまあいいや。

5) たまねぎが透き通るくらい火が通ったらココナツミルクを加えて混ぜます
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この時点ではけっこうサラサラ。

ここにパン粉を少しずつ加えていき、都度よく混ぜ、好みの固さにします。はじめてで加減がわからなく、けっこうネットリな感じになってしまいました。レシピによってはとろみをゆるくしてシチューのようにいただくこともあるそうです。今回は付け合せに使うのでこのくらいはまあ許容範囲かと。味見しつつ塩こしょう、チリペッパーで味を整えます。

はじめて食べる方が多いでしょうから味見と言われても目指すところがわかりにくいと思いますが、エビの風味とココナツミルクのほのかな甘味と香りが妨げられない程度の軽い塩加減にしてください。チリペッパーは辛くするのではなく、あるかなしかのスパイシーさと香りが上品に感じられるくらいを目指します。

さて味見してみます。
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止・め・て♪つまみ食いを♪止・め・て♪(おいしくて味見と称したつまみ食いが止まらないことをC-C-B風に表現)

私は今回は軽くバター焼きしたエビと白身の魚を一緒に食べることにしました。エビと魚を焼いたあとのフライパンで白ワインと生クリーム、ほんのちょっぴりのチリペッパーを使ってソースも作りました。
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あらエビがおいしそうな写真撮れた。

でもよく見てほしいのはバターパなの。
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やだおいしい!干しエビ安いからってバカにしてごめん。紛れもなくエビ風味、そしてココナツミルクのまろやかさとふくよかさ、ナッツのコク、たまねぎのほんのりした自然な甘さが一体となってもう陶然。

フードプロセッサーが必要ですがそれほど手間ではなく、なによりおいしく、そしてあまり広く知られていないお料理のようなのでお客様に出しても喜ばれるのではないでしょうか。一緒に食べるのはエビが一般的ですが、白身の魚ならなんでもいけるかと思います。過去レシピの卵衣のソテーとか手軽でいいかもしれません。ぜひお試しください。

また、ラテンアメリカの料理ではゆでた豆を炒め煮したリフライドビーンズをあわせることが多いです。こちらもご参考までご覧ください。

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