肉食系の私ですが、好きな肉の順位はラム→鴨→牛→豚→鶏です。ウサギや鳩や鶉や猪や鹿もスキではありますがスキだというほど日常よく食べないし、ジビエってマズイお店はひどくマズイしね。。。。と自分語りから始めてしまいたくなるほど本気でとっくんだ鴨胸肉のレシピです!
アアンもう!この香りをお伝えできないネットの限界に歯軋りしたくなるほどのいい香り!
「ダックって鴨だと思うんだけど、ドナルドダックってアヒルよね・・・?」と困惑してしまうのですが、英語ではマガモ、アヒル(マガモを家禽化したものだそうな)、アイガモ(カルガモとアヒルの交配種)などのいずれもひとまとめにduckと呼びます。
ちょっと調べてみると、今回使ったmoulard というのはペキンアヒル(白くてかわいい)を母、Muscovy Duck(タイワンアヒル、フランスガモまたはバリケンと呼ばれる、マガモから発生していない唯一の家畜用アヒル)を父とした交配種らしいです。フーン。血縁みるとどっちかというとアヒルっぽいな。
やや野性味のある香りと味の濃さを考えると、鴨にはやっぱりフルーツの香りといくぶんかの甘さ、そしてなにがしかの香りのパンチがほしいところ。りんごも定番ですが今回はオレンジと、オレンジによく合うスパイスを使うことにしました。
準備
1)オレンジを1個用使います。絞ってジュースを取るのですが、そのまえにオレンジの皮を薄く削ぎとって6、7片取っておきます。大根とかの皮をむく皮むき器でカンタンにできます。
オレンジを絞ると100cc弱のジュースが取れるかと思いますが、これにはちみつをおおさじ2、しょうゆおおさじ1、薄切りしょうが2,3片、クローブ2個、シナモンとこしょうをひとつまみずつ、さらにオレンジの皮片をいれてよく混ぜます。
2)鴨の胸肉には厚い脂肪が乗っているのですが、よく切れるナイフでこの脂肪に浅く格子状に切れ目を入れます。
肉に達するほど深く切らないように。
この鴨を1)に漬けて一晩冷蔵庫におきます。漬け汁は鴨がじゅうぶん浸るほどの量がないので、数時間経ったら一度ひっくり返して皮側も肉側も味がしみるようにします。
作り方
3)さあいよいよ焼いちゃいましょう、焼いちゃいましょう(うれしいので二度言う)。焼く二時間ほど前に冷蔵庫から出して室温にしてください。
漬け汁から鴨を出して、軽くキッチンペーパーで水気をおさえます。この漬け汁はあとでソースにするので捨てずにとっておきます。
4)鴨を厚手のフライパンに皮を下にして入れ、中火で熱します。
鴨の脂肪からかなりの量の油が出ますので、フライパンに油を引いたりする必要はありません。また漬け汁にハチミツが入っていて焦げやすいので火加減に要注意。
5)フライパンを傾けて、出てきた油をスプーンで鴨肉にたえずかけまわします。
この作業が鴨を料理する醍醐味ですね。熱い油をかけられて肉に火が通り色が変わっていく様子をうっとりと楽しみましょう。
6)どのくらい焼くかは鴨の厚さや好みの焼き加減によるのですが、私はレア目のミディアムレアに仕上げることを目標に皮のほうを7分ほど焼き、一度ひっくり返して肉を二分焼き、最後にもう一度皮の方を1分間焼きました。最後にもう一度皮目を焼くには理由があるのです。フフフ。。。
7)焼き終わった鴨はいきなりナイフを入れると肉汁が流れ出してしまうので、二重にしたアルミホイルにつつんであたたかいところに置いておきます。余熱を入れつつ肉汁を落ち着かせる、ステーキと同じ要領です。
あと3秒で焼きすぎな絶妙な焼き具合!再度言うけどハチミツ入ってて焦げやすいから火加減要注意な。
このとき、皮を上にしてアルミホイルに包みます。そうするとアツアツの油が肉に下がってきてうまい具合に余熱が入りつつシットリとした出来上がりに・・・・!そうか、最後にもう一度皮を焼いたのはこういう理由があったのね!納得!
8)この間にソースを作ります。
鴨を焼いたフライパンに残っている油は高コレステロールを含んでいるので捨ててもいいのですが、私は小さな耐熱容器に入れて冷やし固め、あとでチャーハンなどを作るときに使うのもアリです。香りとコクのパンチけっこうきます。
空にしたフライパンに鴨を漬けておいた漬け汁を入れます。このとき、しょうがやオレンジの皮などは取り除いてください。中火にかけて少し煮詰めます。
9)軽く沸騰してきたら味見をして、必要なら塩こしょう、しょうゆを加えます。
味はこれでヨシ!と決まったらシェリー酒をおおさじ2ほど加えてー
ハチミツ入っててけっこう甘いけど、もっと甘くてもいいならポルト酒とかコアントローとかでもいいです。そうした洋酒が手元にない場合、日本酒でも問題ありません。
仕上げに冷たいバターをおおさじ1/2くらい入れて手早くかきまぜてツヤと風味を加えてー・・・
好みのとろみになるまで煮詰めます。
けっこう煮詰まり方が早いです。
9)さていよいよ鴨をスライスしましょうか。うまく思ったとおりの焼き加減にできているかしら・・・ドキドキ。
ヨッシャーー!いい感じのピンク色、シットリしたミディアムレア!自然に本気のガッツポーズ出るぅ!
付け合せはポテトグラタンなどおすすめです。
ああもう太るとかどうでもいい!この美味と幸福と満足感を引き換えにするほどの価値がミニスカートをはける脚を持つということにあるだろうか?みんな冷静に考えてみて!!!
脂肪が厚いのでパワフル系の赤ワイン(拙宅ではカベルネソービニヨン、マルベック、リオハなんかのフルボディなものをあわせることが多いです)と、素材の味がストレートに生きてるアッサリ系じゃがいもグラタンとの組み合わせがとてもステキ!しょうゆを味付けに使っているのでご飯のおかずにもすばらしいです。ご飯で食べるなら最後のソースはを作るときに洋酒ではなく日本酒を使うとバッチリです。すこししょうゆを強めにきかせてウェルダンに焼けば冷めてもおいしく、お正月のおせちにも使えます。
レストランで食べると高価な鴨もお家で作ると胸肉ひとつで充分二人分できてしまいます。焼き加減だけ気をつけると失敗する要素もあまりなく、難しいお料理でもないと思います。また、どうしてもフライパンで焼く加減がわからない、焦がしそう・・・と心配なら、表面をフライパンで焼いたあとフライパンごとオーブンに入れて仕上げてしまえばより確実に失敗は防げるでしょう。よっぽど生でなければウェルダンでもおいしくいただけるのでお気軽に試してくださいませ。
プラムと赤ワインのソースを使ったよく似た鴨胸肉レシピがあります。こちらもどうぞ~。→ 鴨胸肉のプルーンと赤ワインソース
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初めまして。
このレシピが大好きで何度もリピしてます。
ブログの書き方も素敵です♫
次はお豆腐のレシピに挑戦したいと思ってます。
ちなみにこちらも海外在住です^^