非常に鮮度のよい食材が手に入った場合、日本人はできる限り手をかけず迅速に素材を活かして食し、中国人は干したり燻したりしてできる限りの時間と手間をかけて食し、フランス人は同素材をその倍量使ってソースを作る・・・とかいう各国グルメの典型をあらわすウンチクを聞いたことがありますが、これは私の生食好きは民族学文化学的にも説明できる現象であることを裏付けていますね。
アメリカ刺身事情
最近でこそアメリカのスーパーでもカリフォルニアロール系の寿司とか売っちゃってたりしますが、刺身なんか売っていませんとも。
NYはアメリカの他都市と比較すると魚が手に入りやすい街ではあるけど、シタレラみたいな鮮魚系に強いスーパーや個人経営ぽい一般的な魚屋でたまに刺身用マグロがあったり活甘エビがあったり活ホタテがあったりするほかには、鮮度抜群の魚を一尾丸ごと買って自分で刺身用におろすしかなく、すぐに食べられるようになっているものは日系もしくは韓国系スーパーに行くか、寿司屋から刺身として買うしかありません。
そんな刺身ラバーには過酷な環境・アメリカですが、生食がまったくないのかというとそうでもないんですョ。特にアストリアにはいい魚屋があって、ほとんどいつでも生食用のマグロを置いています。写真は反射がひどくて見にくいですが、最近では日本語のサインも張っていますよね。
マグロはわりと高価(といってもアストリア価格だからシティとかと比べると全然割安)だけど、生食用のカキとハマグリはわりと入手しやすく値段も手ごろだったりします。
生で食べると言うときれいにむいて殻にのせて、氷の上に並べて持たせてくれます。日本でならどうってことのないサービスだろうけど、アメリカでこんな丁寧な仕事してくれる魚屋なんてほんとにめったにないのよ。
この魚屋が近所にあるのがアストリアから引っ越せない理由のひとつ。いやほんとに。
それでもクラムやオイスターくらいならたいていの魚屋さんで生食用のものが売ってはいるんですけどね。リトルイタリーのサンジェナーロ祭なんかでは路上販売してるくらいだし。
サンジェナーロ祭(the Feast of San Gennaro)は毎年9月の半ば頃に開催される、屈強なイタリア系イケメンが肉を焼いたりクラムをむいたりして食わしてくれるドッキドキ☆のお祭りです。
大好物です(何が?)。
アメリカで売ってるクラムにはサイズがいくぶん大きめのチェリーストーン(Cherrystone) と、小さめのリトルネック(Littleneck)とがあって、一般にリトルネックの方が味が濃くて甘みが強いと言われています。
シンプルに塩とレモンで食べるのもおいしいのですが、ケチャップやトマトペーストをベースにレモン、タバスコ、ホースラディッシュ(西洋わさび)を混ぜて作るカクテルソースでいただくのもまた定番です。
いくらお料理が好きでも毎日毎日は疲れるしのんびりしたほうがいいときもあるものです。そんなときは新鮮なクラム、オイスター、スモークサーモンにチーズなんかを買ってきて、おいしいバゲットとワインでお料理いらずのコールドディナーにしちゃいましょう。
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