クグロフ

パンがなければお菓子を食べればいいじゃない。軽くあぶってバター塗ったらもっとおいしいむしゃむしゃ。

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・・・とのマリー・アントワネットの言とされる有名な言葉、指しているのはクグロフだという説が有力です。作ってみるとそう難しいこともないです。

日本ではクグロフといわれていますが、発音はクーグルホフ(Kugelhopf)と言う感じです。この秋にアルザス地方に旅行に行ったのですが、クグロフはアルザスの代表的な郷土菓子です。

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アルザスのあちこちで売っていましたが大きさもいろいろで、お店によってレシピも違うそうな。しかし腹持ちがいいので何個も食べ比べできなかったのが心残りです。

そのおいしさ&材料が単純で作りやすいこと、更に作った後の日持ちが良く味が落ちないことなどが理由で、アルザスだけにとどまらずオーストリア、スイス、ドイツそしてフランスでも広く愛されているお菓子です。
クグロフはアルザスでは日常のお菓子ですがオーストリアではクリスマスのお菓子だそうで、この時期に焼く人が多そうなのでこのタイミングでレシピをあげることにしました。タルト、シュトレンとお菓子が続いてしまってスミマセン。ほんと12月は砂糖とバターの時期ですね。

クグロフってどんなお菓子?
クグロフは卵、牛乳、バターを使ったリッチなイースト生地なので、生地の質感はブリオッシュに似ています。極悪バター菓子・シュトレンを作った余韻が冷めていないうちにクグロフを焼くと「バターとかこのくらいならぜんぜん余裕」くらいに思えてしまうのが怖いのですが、パンだと思うとかなりリッチな配合です。
特徴はキルシュに漬けたレーズンが入っていることと、なんと言ってもビジュアルがとても美しいことです。焼き型の形状が独特で、中央がシフォン型のように空いていて、ななめに波型の溝が走っています。こんなきれいな型で焼けばどんな生地でもかわいいお菓子に焼きあがるわ。

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この形状はかわいいだけじゃなく、焦げやすい生地に均等に早く火を通すという目的も兼ねています。そしてイースト生地だけじゃなく、パウンドケーキのようなバター生地もクグロフ型で焼くのに適しているので、四角く焼いていたフルーツケーキやマーブルケーキもきれいな形に焼けちゃいます。プレゼントにするお菓子を焼くにもすごくいいし、ひとつ持っておくのをおすすめしたいです。

こちらがサイズ(小)、容量800ccだそうです。

そしてこちらがサイズ(大)、容量1500ccです。

私の持っている型を計ってみたら1800ccでした。なので(小)で焼くならレシピの半量を使ってください。(大)を使うならがっつり膨らんだアルザス風のキノコみたいな形に焼きあがるでしょう。

クグロフ型については「本場は陶器製!」とかいう方もおられますが、重い・割れる・生地離れが不安とかの要素もあるので普通にスチールとかアルミとかの型が一番いいような気がします。あとシリコンは個人的にぐにゃぐにゃして扱いにくくて苦手です。

材料
レーズン 120g
ドライクランベリー 50g
オレンジピール 30g
キルシュ 70cc

小麦粉 400g
アーモンドパウダー 50g
バター 80g
砂糖 70g
卵 3個
牛乳 100cc
塩 ふたつまみ
ドライイースト 15g
アーモンド 型の溝の数だけ
仕上げ用粉砂糖 適量

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作る手順はシュトレンとよく似ています。どちらもイースト生地のケーキだしね。

手に入りにくい食材のオンライン販売のリンクを張っておきます。ご参考まで。

ネットだとほとんど1kg単位で売ってたけど、このくらいの量の方が無駄がないかと。

もしスライスアーモンドなら手に入るなら、ミキサーやフープロで粉にしちゃうといいです。ジャムクッキーのレシピでやっています。

オレンジピールはずっしり重いものなので1kgくらいあってもいいかも。

準備
1) オレンジピールを細かく刻みます。

2) レーズン、ドライクランベリー、刻んだオレンジピールを耐熱のボールに入れます。
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たっぷりのお湯を沸かし、ドライフルーツを入れたボールに注ぎます。ふっくら柔らかくするのももちろんですが、レーズンなど糖分の高いドライフルーツは互いにくっつきあわないようにオイルコーティングしてあることが多いので、ラム酒に漬ける前にお湯で油を流してしまいましょう。

3) お湯を注いだら軽く混ぜ、1分ほど待ってからザルに上げてお湯を切ります。
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冷めたらキッチンペーパーなどで包むようにしながらキュッと絞り、水気を取ります。ヤケド注意。

4) 小さな器にドライフルーツを入れ、キルシュ70ccをかけ回して浸しておきます。
よく漬かってる方がおいしいかと思ってつい長く漬けたくなってしまいますが、イースト生地に漬け込みの長いドライフルーツを混ぜ込むと柔らかすぎてつぶれたり生地が汚くなったりするようです。前日、もしくは焼く数時間前に浸しておけば粒がしっかりしつつ充分柔らかくなっていていい感じです。

今回、私はキルシュでなく家にあったマラスキーノ酒を使いました。どちらもチェリーのお酒ですが、マラスキーノの方が甘さも香りも強いです。キルシュはアルザスの特産リカーでもあるので、本来はキルシュのほうが好ましいでしょう。

作り方
1) 小麦粉、砂糖、塩、アーモンドパウダーをボウルに入れ、よく混ぜます。

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2) 牛乳を人肌程度に温め、砂糖こさじ1(分量外)を溶かし、ドライイーストを入れてよく混ぜます。インスタントドライイースト(予備発酵不要のもの)なら、牛乳に溶かさず1)の段階で小麦粉などと混ぜてください。

3) バターを溶かしておきます。

4) 1)のボウルに、牛乳、溶かしバター、卵を入れ、指先を使って混ぜ始めます。なかり柔らかい生地でべたつきますが、力を入れずにボウルの中でこねているうちにまとまってきます。ひとまとまりになったら打ち粉をした台に移し、力をいれつつツルンとしてツヤが出るまでこねます。

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ホームベーカリーの生地こねコースを使うなら、すべての材料を一度に入れてこねてください。

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卵そのまま入れちゃっても大丈夫。

ほとんどのクグロフのレシピでは、バター以外の生地の材料をツルンとするまでこね、その後で室温で柔らかくしたバターをこね入れる・・・という方法を取っているものが多いです。なんでそんなべたべためちゃめちゃすることしなきゃならないんだろうか。。。もうそんなのはシュトレンで充分、この程度の量のバターなら溶かして液状にして牛乳と一緒に入れてしまっていいんじゃないの???と思ってやってみたら大丈夫でした。作業がラクになりました。

5) 生地がツルンとしたらボウルに入れ、ふわりとラップをして二倍程度の大きさになるまで1次発酵します。発酵時間は室温により前後しますのでマメにチェックしてください。
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シュトレンのレシピで詳しく説明していますが、あえて温かいところで発酵を促さす、少し寒いくらいの温度でゆっくり発酵させた方が香りや風味の良い出来上がりになるそうです。私は窓際の寒めのところで発酵させたのですが、大体1時間ほどかかりました。

6) 見た感じが大体2倍くらいの大きさになったらフィンガーテストをしてみましょう。

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指を差し込んでみてその跡が残るようなら発酵はOKです。パンチングしてしっかり空気を抜きしましょう。

フィンガーテストについては、指を差し込んで指のあとがすぐに戻ってしまうなら発酵不足、指の跡がそのまま残るとちょうどよし(このとき、通常は見た感じ2倍くらいの大きさ)、指をさしたら生地全体がしぼむようなら過発酵、ということだそうです。

7) 生地を打ち粉をした台に移して伸ばし、軽く水気を絞ったドライフルーツをドサッと乗せます。

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ドライフルーツの水気を絞っておかないとベチャベチャして、生地も汚く扱いにくくなります。

8) 両端を中央に向けて折りたたんでー・・・
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90度回転させてまた両端を中央に折りたたみます。
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裏返してやさしく押し伸ばし、ドライフルーツがまんべんなく混ざるまで折りたたむ作業を繰り返します。適宜打ち粉をしてください。

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このドライフルーツが透けて見えるパン生地がほんとかわいい。手触りもまたなんともいえない弾力と柔らかさでかわいいさ。パン生地萌え~~(新機軸)。

この後、この生地を冷蔵庫で一日寝かせるという方法もあります。オーバーナイト製法というそうで、特にクグロフに限らずパン一般に使える製法だそうな。
長所としては
1. 前日にこねができ、夜のうちに発酵ができているので朝一番で焼きたいときなどに作業がラク
2. 生地が冷えているので成型しやすい。特にべたつく柔らかい生地が扱いやすくなる
3. 生地がよく吸水するので伸展性が増し、こね不足を補える
4. 香りと風味の有機酸を充分発生させられる
・・・・などがあるそうです。時間があればお試しください。

9) さて充分楽しんだところで成型します。まず生地の中央に箸などを指します。
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やーめーてーーー。

指を使ってその穴を徐々に広げていきます。軽く打ち粉をしながらのほうがやりやすいでしょう。
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10) クグロフ型に薄くバター(分量外)を塗り、軽く小麦粉(分量外)をはたきます。

11) クグロフ型の溝にアーモンドを一粒ずつ入れます。
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これがビジュアル的に美しいアクセントになるのですが、好みでアーモンドは使っても使わなくてもかまいません。

11) 穴を開けた生地をクグロフ型に入れます。
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焼きあがったときには下面が表になるので、生地がツルンとしてきれいな方を下にして入れましょう。

12) ふわりとラップをかけ、1.5倍ほどの大きさになるまで二次発酵します。今回、18度くらいの室温で1時発酵に約1時間、二次発酵に45分くらいかかりました。目安まで。
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こちらが二次発酵後。フカフカ~。

13) オーブンを170度(華氏340度)に温め、40分ほど焼きます。焼き色が強くつきやすい生地なので、途中で様子を見て、焼き色が充分なら下に天板を敷き、上にアルミホイルをかけます。クグロフは焼いているときに下にしているほうが出来上がったときの表になるので、下からの火にも気をつけます。

14) さて焼きあがりましたよ!
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いやんいいニオイ~。ふくらみ充分でまたかわええ~~~。

型からはずして、ケーキクーラーの上に乗せます。
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はあはあ、かわいいよクグロフたん・・・もう食べちゃうぞ~☆

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古いテラコッタ製の装飾品みたいな重厚で上品な美しさにため息出ちゃう。

食べる直前に粉砂糖をたっぷりふりかけます。
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かーわいい~~!クグロフたんお砂糖かけてもかわいい~~!!お嫁さんみたいだねー!
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どんな擬人化よ。

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切ってみるとこんな感じです。お友達の家に持っていったので明かりが変な色ですがまあご愛嬌。先日からケーキを作りまくっているようですが、全部うちで食べてるわけじゃないのよアピールです。

クリスマスらしい美しいケーキだし、乾燥させないように気をつければ1週間ほどはおいしくいただけます。もし乾いた感じになってしまったら、軽くトーストしてバターを塗って食べるとまたおいしいです。
作るにもシュトレンよりは手順が少なく、バターの使用量も少ないので生地も扱いやすく、あまり失敗の要素もない比較的簡単なイースト菓子だと思います。ブッシュドノエルみたいな日持ちの短いケーキより用意しやすいし、食べるとパネトーネよりしっとりしておいしいので、クグロフ型をお持ちの方はぜひお試しください。

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クグロフ」への19件のフィードバック

  1. 初めまして!
    いつも美味しそうなお料理を拝見してわくわく萌え萌えしてます(^▽^)

    シュトーレンにしてもブッシュドノエルにしても、消費が大変ですよねぇ…
    作るのは好きですが、あまり量が食べられないのでなかなかチャレンジできません。
    今回自家消費だけじゃないとお聞きして安心しました(笑)

    • コメントありがとうございます。
      うちでは食べられるんだけど食べない方がいいって感じです。
      でも作るのがスキでチャリティベーキングをはじめましたがイマイチ人気がなくてムラムラが解消されません。

  2. NYに近かったら、毎週オーダーしてるわー、私・・・。
    醗酵後のふかふかの生地、「萌え」ますよねー。「新機軸」、笑った!
    今日はYuさんのレシピのほうれん草キッシュつくりマース。wish me luck!

    • オレオレさーーーん!
      本当にもう少し近かったらシュトレンとか日持ちのいいお菓子をお送りしたいです。NYからピッツバーグまでは大丈夫だったけど西海岸じゃどうか不安で。
      レシピお試しありがとう!

  3. 前にもお魚の話題でコメントした者です。毎回記事すごくすごーく楽しく読んでます(*^^*)
    メリーランド州は送れますか??

    • コメントありがとうございます!
      メリーランド、どのくらい郵送に日数かかるのかなー。ピッツバーグは友達だから「悪くなってたらゴメン」でよかったけど、やっぱり心配なので手渡しできる範囲でやってた方がいいような気がします。でもありがとう。

  4. こんにちは、あべべです。
    ブログにコメントを頂戴し、ありがとうございました。
    ゆうさんのブログは写真がたくさんで親切丁寧なレシピを載せられてるのですね、感動しました。
    それに比べて僕は週に1件の手抜き記事、、、見習わなくては。笑
    どうぞよろしくお願いします。

    • コメント返しありがとうございます!
      あべべさんのレシピはどれも本当においしそうで専門的なのに、変なハッタリや見てくれよがしなところがまったくなくてすばらしい!よほど造詣の深い方だろう・・・と一度でファンになってしまいました。今後よろしくお願いします。

  5. 質問をさせてください。アーモンドパウダーはどちらの物を使われているのでしょうか?なかなか見つけれなくて困っています。オレンジピールもよろしければあわせて教えてください。

  6. コメントありがとうございます。
    アーモンドパウダーは私はスライスアーモンドを買ってきてフードプロセッサーで粉にして使っています。
    オレンジピールは私の住む近所ではわりと簡単に見つかるのですが、どちらも日本国内ならオンラインで買えるサイトを記事内に添付しました。ご参考までにご覧ください。
    お住まいがどちらかわからないので買い物事情もわからないのですが、ちょっとコジャレたお菓子作り専門の店や、大きめ輸入スーパー、デパートなどに行けばどちらも見つかると思います。

    • Yuさん、すみませんでした。私はアメリカに住んでいます。ヤンキーと言われている地域です。近所のスーパーあたりを探してみます。アーモンド、参考になりました。その方法でやってみます!

      • またまたコメントありがとうございます。
        もしオレンジやレモンのピールが見つかりにくいのなら、生のものをきれいに洗って皮部分をおろし金でおろしたものを生地に混ぜると代用になります。
        ピールみたいな歯ごたえと見た目のアクセントにはなりませんが、香りはいい感じです。白いところまでおろすと苦くなるのでご注意ください。
        ご参考まで~。

    • 遅レスごめんなさい。Trader Joe’sがお近くにある地域(在米)の方でしたら、ナッツ売り場でJust Almond Mealという、アーモンドを粉にしたものを売っていますよ!ご参考まで。

  7. こんにちは、ミジンコです。作ってみたのでご報告です。
    うちにも大きい型と小さい型があり、さて分量は・・・と思ったら、大きい方がゆうさんの仰る「小」でした。結局、1/2量で作ってさらに半分にして、小さい型2個で焼きました。
    フルーツはなかなかまんべんなく入ってくれませんね。ここが技術の差なんですね。
    粉砂糖をかけないで食べたら結構あっさりしてました。やっぱりかけた方が美味しいです。
    また違うレシピに挑戦したらご報告します!

    • ご報告ありがとうございます。
      そう!私も小さい型がほしいいんですよー。私の持ってる型だと大きすぎて、持ち寄りパーティーみたいな機会ならいいけど日常食べるにはもてあましますもん。
      クグロフはケーキと言うよりはリッチなパンという感じなので、やっぱり砂糖に頼らないと少し味気ないですよね。厚めにスライスしてトーストしてバター塗って食べるものおいしいです(デブゴンのおすすめ☆)。

  8. ピンバック: しっとりバターシュトレン | お料理ダイスキ!ニューヨークおうちごはん

  9. ピンバック: レンコンと豚肉の炒り煮 | お料理ダイスキ!ニューヨークおうちごはん

  10. ピンバック: クリスマスのおすすめ | お料理ダイスキ!ニューヨークおうちごはん

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