夕飯になに食べたい?と聞くと「ウサギ」とか言っちゃうドイツ人ドテラですが、誕生日には何を食べたいと言ったと思います?ヒントは鬼退治。
猿とか犬とかはないでしょ、さすがに。キジです。そんなの売ってないって・・・とか思ったけど意表外にも売ってました。一応レシピはあげておきますが、みなさまは鶏で気軽に作ってください。今日は写真多めでまいります。
鶏を使ってお料理する方は、グイーーーっとスクロールダウンして材料のところからお読みください。
キジ・・・・食べたことありますか?
ヨーロッパではウサギとか鴨とかのジビエ系食肉がごちそうに作られることが多く、キジも料理されることがままあるそうですが、私は「キジというと桃太郎の家来のアレか?雛が生まれるとニュースになったり愛称を募集したりするアレだろ?」と途中からトキと混合してしまうくらいの認識でした。(蛇足ですが、調べたところトキは絶滅危惧種だか野生絶滅種だかなので交配が注目されますが、日本の国鳥はキジで、一万円札の図柄にも使われています。)
まさか手に入るまいと思っていたけど肉屋に行ったらアッサリ売っていました。なんという品揃え。いつも思うけどアストリアの肉屋や魚屋はすごいな。シティからでも買い物に来る価値ありと思います。丸ごと一羽、冷凍で売っていたものを入手しました。
ターキー、グース、チキンなどと同じく、腹の中には可食の内臓と首の骨が入っています。
ほほう。。。。観察してみると、脂肪はほとんどありません。ターキーは脂質に乏しくパサパサしてるとよく言われますが、キジとかウサギとかと比較するとターキーの脂肪も充分なような気がしてきます。肉質を比較すると、キジよりウサギのほうがずっと筋肉質な感じです。
ご参考までにこれまでお料理してきた素材はこちらです。
グースのロースト
ターキーを焼こう
ウサギのシチュー
鴨胸肉のプルーンソース
皮も薄いし、肉も薄い。これで肉自体の味が濃くなければいいとこなし・・・・いやきっと肉がうまいんだ、たぶん。
準備します
チキンをさばくのと同じ要領でやってみます。
まずはモモを胴体からはずします。皮に切れ目を入れてー・・・・
関節を曲がるのと逆の方向にボキン!と折ると白く関節が見えてくるのでそこをねらって切り離します。
肉に赤味が強い。おいしそう。
モモ二本切り離したら、同じ要領で手羽も取り外します。
やってみればけっこう簡単にできるもんだな、くらいの作業。魚をさばくよりずっとラク。
手羽とモモを取られた胴体がこちら。
こうなると鶏やターキーと比べて肉付きが薄いのがますますハッキリしますね。なんか鋭角だもん。
それに比較してターキーの丸いことと言ったら。
ターキーって見るからに食べ応えありそうだよね。
胸の真ん中に一本アバラの中心の骨が走っているので、その両側に切れ目を入れてー・・・
骨(角膜)にそって左右ひとつずつの胸肉を切り離します。
これでモモ二本、手羽二本、胸肉二枚、それから骨に無事解体できました。
ちょっとした達成感だけど料理はまだこれから。
さてそれではさっそく・・・てちっともさっそくじゃないのよ!
ウサギのときもそうでしたが、食べなれない食材ってどんなものを作り上げたいというビジョンがなく、したがって到達点に何があるか見えてきません。どうしようかな。
仕方がないので持っているイタリアンの料理本にツグミを使ったよさげなレシピがあり、いつか取り組みたいと思っていたのでそれを試すことにしました。実はツグミも料理どころか食べたことも無いので心もとないことこの上ないです。
まず今回は脚部分を使った料理を作り、次回に胸肉を使ったレシピをアップします。
材料
鶏もしくはその他の鳥系食材のモモ、手羽それぞれ二本
小玉ねぎ 10個くらい
バター おおさじ1
プロシュート、ハモンセラーノなどの生ハム、もしくはベーコン 4枚
塩、こしょう
白ワイン カップ1程度
白バルサミコ酢 おおさじ1(なければはちみつおおさじ1/2とレモンをこさじ1/2)
ジュニパーベリー 数粒 (なくてもよし)
ローリエの葉 1枚
ワインや塩こしょうの量は使用する肉の大きさや量で加減してください。また、一羽丸ごと切り出して料理するのでなければ手羽とモモを混ぜて使う必要もないので、モモだけ、もしくはドラムスティックだけなど使いやすい材料を気軽にお使いください。
生ハムは一般に熟成期間が長いほど高価なのですが、この料理はキジにしろ鶏にしろ素材自体のうまみも強いのでそんなに高いものでなくていいです。
イタリアの生ハム、パルマとも呼ばれるプロシュート。
![]() イタリア?1の売上高、生産量を誇るフィオルッチ社のプロシュート。厳選された上質な豚のモモ肉… |
八ヶ月熟成200gで1500円・・・日本だとこのくらいの値段しちゃうのかなー。
そしてスペインの生ハム、ハモンセラーノ。
![]() スペイン産生ハムハモンセラーノ・スライス 200g(蔵) |
これは7ヶ月熟成200gで1400円。こんなもんなのか。
作り方
1) 腿肉は関節で上モモとドラムスティックに切り離します。
手羽も関節で切り、手羽元と手羽先に分けます。
手羽先はあとでその他の骨と一緒にガラスープをとるのに使いましょう。
2) 皮目をフォークなどで数箇所刺し、軽く塩こしょうします。
3) 上モモとドラムスティックをそれぞれパルマハムで巻き、タコ糸で縛ります。手羽元は小さいのでハムを巻かず、そのまま使います。
自信のないときにはコジャレ食材を使ってきれいめなルックスに出来上がるようにしとけばド失敗にはならないだろ。。。みたいな魂胆が透けて見えます。
4) 小玉ねぎの皮をむき、フライパンを中火で熱してバターを溶かし、軽く色がつくまで焼きます。
5) フライパンに肉を加え、これも軽く焼き色がつくまで焼きましょう。
焦げ付きそうなら分量外でもバターを足してください。
6) きれいな焼き色がついたらワインを加え、さらにひたひたになるくらいの量の水を加えます。
ハムに塩気があるので、ここでは塩を使わず煮はじめます。
もし手元にあれば、ローリエの葉とジュニパーベリーというスパイスをここで加えて一緒に煮るととてもいい香りがします。
ジュニパーベリー(ねずの実)はジンの香り付けに使われていることでよく知られていますが、ジビエ系肉料理やドイツの料理でよく使われます。使うときには重い鍋の底などで押しつぶし、粒を割っておかないと香りが充分出てきません。
日本の家庭ではわざわざ買うほど使用頻度が高くないと思いますが、一応オンラインで買えるリンクを張っておきます。
![]() S&B業務用セレクトスパイス■ジュニパーベリー/袋100g【select/セレクト/業務用スパイス/お買… |
あらけっこう手軽なお値段。
7) 白バルサミコ酢を加え、一度沸騰したら弱火にして煮汁が1/3程度になるまで蓋をせずに煮ます。
白バルサミコは「ここでバルサミコ使いたいけど色が付くのはイヤだな・・・」みたいな場合に役に立つ調味料で、サラダのドレッシングにはもちろん、肉や野菜のソースなどにもいろいろ使えます。お料理好きなら一本持っておいてもいいかと。
手元になければはちみつとレモン汁(もしくは酢)少々で代用してください。酢やレモンはすっぱく感じるほど使わず、ほんの少しソースをさっぱりと軽くする隠し味程度の使用に控えてください。
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8) たまに転がして煮汁に浸っている面をかえつつ、煮汁がソースとしてちょうどいいくらいの濃さになるまで煮ます。これでよし、と思ったらいったん肉を取り出し、タコ糸をはずします。
味見をして塩こしょうで整えたらできあがり!
野菜やじゃがいもなどの付けあわせを添えていただきましょう。
はじめて食べたけど、キジっておいしいね。脂はのってないからコッテリしつこくならず、そのくせ味が濃くて力強い感じです。煮た料理なのにパサつかない肉質なのも好ましい。パルマハムで巻いて煮たのでもちろん一段とうまみが強くなっていて、一緒に煮た小玉ねぎが侮りがたいおいしさになっているのもうれしいです。ほほう。この分では胸肉も期待して良さそうです。
次回のアップで、キジ胸肉のソテーのレシピをアップします。鶏でも作れますが、そちらのレシピはキジで作るとなおおいしいでしょう。お楽しみにお待ちください。
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ゆうさん
雉 もも肉の生ハム包み
美味しそうです
雉を見事に捌いていますね
綺麗な裁き方です
野鳥の癖が生ハムのおかげで薄く なりますね
素敵なレシピ
有り難うございます
いつもコメントありがとうございます。
だんだん鳥系食材をさばくのが上達してまいりました。
相変わらず探究心旺盛ですね!実は、自分の近所にキジ・うずら・シカなどを出すポーランド料理のお店があるんですが、私は注文して食すのもおろか自分でさばくまでの根性ありません!でも、Yuさんのレシピ探求に役立ちそうだと思ったので、リンク貼っておきます。どうぞ食べに行ってみて下さい!
http://www.krolewskiejadlo.com/eng/index.html
コメントありがとうございます。
あれっ!!なにこれすごい好きなタイプのレストランですよ!!
ウズラ食べて見たいと思ってたんです。いつか行ってみます、ありがとうございます。
待ってました!!キジ!
もちろんうちのあたりじゃ手に入りません。うちの近所にはウヨウヨ生息してますが、入手できませんし・・・一度道路ではねられてるのを見つけた時はよっぽど拾って帰ろうかと思いましたが夏場のことで断念しました(冬なら拾ったかもしれません)
友人のお父さんが鉄砲うちで、毎年お雑煮はキジで作るというのを聞いたりしてました。一度だけジビエで食べたことありますが大変美味しく、鉄砲の許可を取れば近所のキジを・・・と思ったりもしましたがもちろん近隣で猟銃発砲許可なんか出ませんので食べないまま現在に至っております。
その分のカタキをYuさんがとってくれたような気がいたしまして、今回のキジもとい記事大変楽しく拝見いたしました。次回も楽しみにしています!
コメントありがとうございます。
ハクビシンの死んでるのを拾って食べたとか、エゾシカをしとめてきたとかいう話は聞いたことがありますが、キジは猟犬がいないと捕りにくいらしいです。というのも、キジについて検索したところ、猟犬を使ってハンティングをしている方のサイトを見つけていました。
http://www.breton-gille.com/
川に落ちたキジを泳いで取ってくるところなんかすんごいドヤ顔ですよ。出猟ってとこ見てみてください。
<キジもとい記事大変楽しく
ちょっと待ってみんな!今誰かなんかうまいこと言ったから!