グースのロースト

ウサギに続き、ドイツ人ドテラからまたノスタルジックなリクエストです。
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ヨーロッパのクリスマスではよく食べるそうな。グース、ガチョウです。写真が暗くてゴメン。しかも裏表が逆で、胸が下になっているアホ写真です。

昨年はじめてローストを作ってみてとてもおいしく出来たので、今年も同じレシピで焼いてみたところドイツ人のおにいさんたちに好評でした。以下、昨年の記事を一部抜粋しつつ無駄口多めに新しく書き直しています。

グースってどんな感じ?
グースは日本ではほとんど食べられませんが、欧米ではクリスマスなどのちょっとしたごちそうとして定着している食材です。
食鳥として身近なチキン、アメリカのサンクスギビングの定番ターキー(七面鳥)などと比べるとグースは肉にとても野性味が強いです。脂も強く、肉は胸肉も赤身で(鶏やターキーは腿肉は赤いけど胸は白いですよね)味が濃く、どの部分も食べ応えがシッカリしています。例えは非常に変ですが、食鳥界の牛肉と呼びたいです。

下準備するよ!@前日
グースはターキーと同じように、通常ガッチリしたビニールで包装され冷凍で売っています。

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包装をあけてみると、チキンやターキーとは段違いの迫力です。すごい脂肪、そして皮が厚い。もう全体が油まみれですべりまくって二回くらい落っことしました。

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脂がすごいからすべるし重い。信じられないことでしょうが胸に抱かないと扱えなかったです。あとでエプロンをお湯で洗いました。クソ忙しいのに余計な仕事を増やしおって。

腹の中に首の骨や可食の内臓が入っているので取り出したいのですが。。。。
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なんかピッタリ閉じてるけどどうすればいいの。頭のほうか尻のほうか、どちらから攻めればいいのか判断に迷います。

・・・・・・・・??? 
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去年こんな感じだったかしら。記憶にないけど。
なんかあれこれやっているうちになんとか厚い皮と脂肪を探って開口部を探し当てました。やはり尻のほうが広く開いています。

そして去年は腹の中から首骨を取り出そうとしてえらく苦戦しました。首の骨が太くて長く、途中で湾曲している形状でしかも全体が脂ですべるのでひっぱり出すのが難しかったのですが、今年もやっぱり激戦でした。

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なんか!すごくなんかみたいじゃないですか!やばくないですかこの画!

なんとかかんとか首骨を取り出せたので、今度は一袋にまとめられている内臓を取り出します。これまた腹腔が大きいので手首まで突っ込まなければならない始末です。
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いやちょっと!なんか!ほんとに!!

すっかり変なテンションになってしまいましたが、やっと全部取り出せました。腕が劇太ですがこれはカメラの遠近のせいです。あとキッチンシンクが貧乏くさくてほとほといやです。

続いて首や尻、腹の中に脂肪と余分な皮がかなりついているので取り除きます。小型のナイフとキッチンばさみが役に立ちます。皮は焼くと縮むので、あまりたくさん切り過ぎないように。

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けっこう大量の脂肪。

グースは肉自体の味が強く脂質つも充分なのであまりいじらずシンプルに焼くのが定番の手です。しかし脂肪は充分だが肉質が固く肉に匂いがあるので、肉をジューシーにし、匂いを消し風味をつける目的でブラインするのもアリという説も定着しているので、私はブラインすることにしています。

4リットルほどの水に塩150g、砂糖200gを溶かし、オレンジ一個と白ワインカップ2ほど混ぜました。風味付けにクローブ、黒こしょう、シナモンを使い、冬っぽいフレイバーにしてみました。好きなスパイスやハーブを自由に使ってください。
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このブライン液にグースを漬けて冷蔵庫に入れておきます。充分な大きさの容器がなければゴミ袋を二重にして使うといいでしょう。めやすは12-24時間です。

グレイビーを作る
いろんな方法がありますが、私は首の骨をフライパンなどでローストしてから香味野菜と一緒に煮出すことにしました。粒こしょうと一緒に、少量の油で強火で焼き付けます。かなり油が飛び散るし煙も出ます。
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強めに焼き色がついたら水を加え、玉ねぎ、セロリ、にんじんなどの香味野菜と塩を少々入れ、蓋をして煮出します。私は2時間ほど炊きました。
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味見をして風味が充分と思ったら、熱いうちに漉します。
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あとでこれを好みの濃さに煮詰め、塩こしょうなどで味を整え、コーンスターチや片栗粉でとろみをつけます。

追記のようになってしまいますが、実は手羽のさきっちょは肉がほとんどついていないので取り外して首骨と一緒にスープを取るといい、というレシピを見つけていたのでやってみようかなと思ってトライはしてみたのです。
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ところがとてもとても取り外すなんて出来ませんでした。なんだったんだろう、これ。鳥系の手羽やモモを切り離すには皮に切り目を入れてからボキン!と後ろに折り、関節の間を切り離すというのが通常の作業なのですが、ボキンとやってみても腱が強いのか皮が強いのか、いったん外れた感じはするけど力いっぱい折ろうとしても180度以上には曲がらず、関節なんて見えてこないのです。

この問題わかる人!
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はい、じゃグース君!

ナイフで見当をつけたあたりに切り込んでみても関節の間がわからず、この滑りやすいやつを刃物でアレコレやると怪我をしそうなのであきらめました。

当日・いよいよロースト
ブライン液から取り出し、全体の皮をフォークや尖ったナイフの先などで刺しておきます。これをしておかないと焼いている間に余分な油が流れ落ちず、皮がパリッと来ないそうです。
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この作業は太目のクギが使いやすいです。

ブラインしていない場合、この後で肉の表面と腹の空洞に塩こしょうを多めにすりこみます。用意ができたらオーブンを温めて、ラックに載せてオーブンパンに入れて焼きます。私は香り付けに、ブラインに使った果物とスパイスを少し腹の中に入れておきました。

10パウンドくらいの大きさなので、350度(摂氏175度)で3時間弱くらい焼きます(ご参考:Cook Time, Goose and Duck)。途中で油が大量に出るので適宜取り除いてください。今回、1リットル強の油が出ました。

好みで焼きあがる20-30分ほど前にはちみつ、砂糖、糖蜜などの糖分を表面に塗りつけると、皮に甘みと濃い焼き色がついていい感じです。

グースはターキーやチキンと比べて胸が薄くわかりにくく、アホな話ですが去年私は間違えて胸肉を下にして焼いてしまいました。焼き終わって切るときになってアレ?みたいな。肉が薄いので火のとおりは問題ないのですが、今年は出来上がりの写真を撮り忘れてしまったので去年のアホ写真を再度使わなくてはならないのが二重に残念です。

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適当に切り分けていただきましょう!
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こんなへっぴり腰の料理ですが、ほんとにどこの部分を食べても味がシッカリしていておいしいです!塩加減がちょうどよく、ほんのりとうす甘い味がついているのも肉自体の味を引き立てています。また、オレンジ・シナモン・クローブの香りがほのかで心地よく、肉の臭みもよく解消していると思います。

グースは焼きすぎないように気をつければどんな風に焼いてもおいしくできるようです。手に入りやすい地域にお住まいの方にはぜひお試しください。クリスマス前の駆け込み投稿ですが、やってみたい方の参考になれればいいな、と思っています。

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グースのロースト」に8件のコメントがあります

  1. 今年もお疲れさまでしたー。画像だけで赤ワイン3杯くらい飲めそう!いや、あの前半の画像じゃなくて。しかし、焼いてる間に脂一リットルって凄すぎ!

    1. ダックもすごいけど、グースの脂ってほんとうにすごいですよ。
      これを集めて瓶に入れて冷蔵庫に入れておけばすごいおいしいダックバター・・・・・ネギしか入ってないチャーハンでも満足しちゃうから痩せられないわぁ。

  2. このレシピは鴨でもいけそうですね。グースは日本では手に入るかどうかわかりませんが、琵琶湖の鴨なら手に入るかも。いつも行く鴨川にも泳いでますが・・・・ブライン液に浸けて焼くようになってから、ローストチキンがふっくらと均一に焼けるようになりました。詰め物好きなので、パンパンに入れてますが、2キロくらいのチキンでも、詰め物しない方がいいでしょうか?

    1. コメントありがとうございます。
      詰め物をするかどうかについては、理屈を言えば温度がうんぬん・・・というだけの話なので、家庭の好みで自由にお料理するのが一番だと思います。
      もし気になるのなら、料理用の温度計を詰め物の真ん中あたりまで深く刺してみて、75度程度になっているのを確認するといいです。

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