ロブスターのビスク・じゃがいも版

すでにロブスターの殻でダシを取って作るビスクのレシピは掲載済みですが、そのレシピはホワイトソースでとろみをつけていました。ちょっと違ったレシピを試してみたところぜひおすすめしたくなりました。

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クリームソースでなくじゃがいもでとろみをつける新バージョンです。

まずは過去レシピ、ロブスターのビスク・クリームソース版をご覧ください。そして丸ごとのロブスターの殻をむいて用意する準備編もご覧くさい。これはぜひご覧ください。これを見ておかないと今回はついてこれなくなるかと。

さてロブスターのビスクなのでまずはロブスターを用意します。

いつもは魚屋ですでにゆでてあるのを買ってくるのですが、今回は生のものを買ってきました。というのは、運送中に酸欠で弱ってしまったというかわいそうな子がいたからです。
「死んじゃってるけど病気とかじゃないし、さっきまで生きてたから活きの良さはそこの生簀のと変わらないよ」と言うので、それを信じて買ってきました。一度自分で蒸してみたいと思ってたけど活きて動いてるのを扱うのは怖いヘタレの私にピッタリじゃないですか。やってみよう。

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「自分タイマンで負けたことないっスから」くらいの眼力。

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顔の中心から額にかけて並んだ角状突起が意匠的でカッコいい。
こうしてよく見ると毛みたいなのとか角みたいなのとかもあちこちにあるけど、これらはみんなロブスターの生活に要されるなんらかの意味があるんだろうね。そういうことも勉強してみたい。

裏返して腹も見てみましょう。
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色がおもしろいですね。ザリガニはもともと持ってる色素に青もあるそうで餌や環境を工夫すると真っ青にできるらしいですが、加熱する前の固体を観察すると素人目にも各部にほんの少しずつですが青い色が確認できます。

逆さにしてみた。
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・・・・なんて言ったらいいんだろうなこれ。軽く疑問としてわきあがってくるのはロブスターの社会にも美醜の問題はあるのだろうかというあたりです。

さてそろそろ料理を始めましょうか。
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ゆでるよりも蒸した方がおいしいと聞いたことがあるので蒸してみます。
蒸気がガンガンに出てきたらロブスターを入れ、蓋をして強火のまま蒸します。参考までにロブスターが500g程度の固体の場合、蒸し時間は約12分、1キロくらいのものなら15分くらいが目安だそうですが、鍋の大きさとか火力とかにもよるでしょう。加熱しすぎて身を固くしてしまうのもいやですが、生っぽいのも勘弁して欲しい。甲殻類だと火の通り加減のチェックも難しいし、おっかなびっくりやってみます。

蒸しあがりました。
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うわーすごいきれいな赤!
お料理をしていると塩湯でゆでた青菜の色が鮮やかになったり、小麦粉のパイ生地が金色に焼きあがったりなどいろんな食材がその色彩を変化させるのを目の当たりにすることができるのですが、しかしエビカニ系が加熱されて赤くなるときほど鮮やかで劇的な色彩の変化は類を見ません。しかもこの大きさだと迫力すごい。

蒸し器から出したら室温で冷まします。この間に余熱も入っていきます。

さあ出番だ超像可動。
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「やると思った」というみなさまのお声が聞こえるような気がします。

ロブスターの天敵もタコなんですって。今度タコ買ってきて丸ごとゆでて露伴をぐるぐる絡まらせるとかもすごいやりたい。ていうかいつか必ずやる。
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ロブ子 「言うこと聞いてくれたら助けてやるぞ」
露伴 「何でもきく!」
ロブ子 「そこでだが断る聞きたかったのにィー」

二体持ってるんだ。
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正義のロブスターにまたがって悪のロブスターから露伴を救出しに来るブチャラティだ。うらやましいかい?君も乗りたいのか?

すっごい楽しい。これを趣味と公言したいけどフィギュア撮影と言えばいいのかしら。

さて!満足したら殻をむきますよ!方法は丸ごとのロブスターの殻をむいて用意する準備編をご覧ください。そして身はお好きに召し上がってください。今度も我が家ではロブスターロールにしていただきました。

\(^o^)/なんと!以上が今回の前フリでした!レシピはここからです。\(^o^)/

材料
ロブスターの殻 二尾分
バター おおさじ1
玉ねぎ 二個
にんじん 一本
セロリ 3本
粒こしょう こさじ1
ローリエの葉 2枚
じゃがいも 1個
牛乳 200cc
トマトペースト おおさじ1.5
シェリー酒 50cc
塩、こしょう

作り方は過去レシピ・ロブスターのビスク、クリームソース版とほぼ同じです。以下、コピペが多くなります。写真は割愛しますよ。

1) 鍋の中で扱いやすいように、殻の大きなものは手で割り、足は一本ずつはずしておきます。
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2)玉ねぎ1個は皮をむいてザックリと大ぶりに切ります。もう一個の玉ねぎはあとで使うのでとっておきます。にんじんとセロリもザクザクと切っておきます。野菜の甘みもぜひ取り入れたいので、野菜は多めの分量を使います。

3)大きめの鍋を中火で熱し、バターおおさじ1を溶かしたところに殻をすべてと粒こしょうを入れ、火を強火にして炒めます。

4) いい香りがしてきたら2)で用意した野菜を入れ、軽く混ぜたらひたひたになるくらいの量の水を入れます。
できるだけ濃いスープが取りたいので、水は必要最低限しか使いたくないところです。

5)少しずらしてふたをして、ローリエの葉を入れ、そのまま3時間ほど煮出します。ここでブーケガルニやパセリの茎など入れて風味を加えるのもまたいいですね。途中で水を足したりせず煮詰めていくので水位は下がってきます。たまに底からかき混ぜて、上面から顔を出しちゃってる抜け殻ちゃんたちを底に沈めるなどしてあげましょう。

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6)どこで終わりにするか判断に迷うところですが、煮汁がトップリと赤くなり、味見をして風味とうまみがじゅうぶんになったらいいでしょう。鍋の火を止め、熱いうちに目の細かいザルなどで漉します。

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とっぷりと赤味の強いスープが取れました。

7) ここからはクリームソース版と違ってきますよ!玉ねぎを薄切りにし、フライパンか鍋にバター少々を熱して弱めの中火で炒めます。

8) じゃがいもは皮をむいてこれも薄切りにします。玉ねぎが透き通ってきたらじゃがいもを加え、軽く塩こしょうして炒めます。
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じゃがいもが入ると焦げつきやすくなるから気をつけて~。

9) じゃがいもが透き通ってきたらヒタヒタになるくらいの量の水を加えます。鍋に蓋をし、じゃがいもが充分柔らかくなるまで弱めの中火で煮ます。

10) じゃがいもが柔らかくなったら火を止め、ミキサーやブレンダーでなめらかにします。あまりアツアツだと機器が傷むので軽く冷ましてからの方がいいでしょう。

11) なめらかにしたじゃがいもを鍋に入れ、トマトペーストを入れてよく混ぜます。続いて6)のロブスターのスープを加えます。

12) 弱火にかけ、好みのとろみになるまで牛乳(またはクリーム)を加えます。
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沸騰させないように、火は弱め&常にかき混ぜながらの作業です。

13) そして最後にシェリー酒を混ぜ込みます。
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シェリーはあんまりドライすぎず甘すぎないミディアムなのがベストですが、ご家庭にシェリーを常備している方は少ないかもしれませんね。もし手元になかったら割愛しても・・・いや!ここは一本買ってきてぜひ入れなさい!これで絶妙なバランスと風味が与えられるのです!一本15ドル程度のもので充分だから。

あとは味見をして塩こしょうで味を整えたらできあがり!
余力があったらクルトンや刻んだパセリを浮かべたりするとさらにおいしそうですね。
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タイトル:何かに憤っているブチャラティにもじもじする露伴

私はブチャラティにピントが合わないように上記の写真を撮影すべく苦心してスープが冷えてしまったりとアホなことをしてしまいましたが、おいしいパンにチーズ、ハム、サラダ、それに白ワインで満足度の高い夕飯になりました。
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食べてみると、非常に甲乙つけがたいのですが、クリームソースを使ったものより軽やかなのにうまみたっぷりで、僅差でじゃがいも版のほうが好ましかったように思います。とろみの質も異なっていて、じゃがいも版は濃度は同じくらいでも粘度が低いらしく口当たりがサラリとしています。今後のロブスターのビスクはこちらのレシピで作ることが多くなりそうな予感。

ロブスターに限らず、エビや伊勢えびなどの殻が大量にある状況に陥ったらぜひお試しください。とてもおいしいスープです。

今日はここでなんて言えばいいのかな・・・まあクリックしていってください

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ロブスターのビスク・じゃがいも版」に6件のコメントがあります

  1. なかなか日本ではチャレンジできないレシピですよね、とっても美味しそうですが。
    楽天とか見ても1匹2000円↑です。

    ロブちゃんを糸で釣って操りロブスターにしてるの笑いましたw

  2. ロブスターのイラストを描くための参考に拝見しました。色々な角度から撮られた写真がとてもわかりやすく素晴らしいです。ロブスター買わずに描けそうです。ありがとうございました!(にゃんこも可愛い)

    1. どうぞどうぞお使いください。お役に立てたようでよかったです。記事に使ってない写真もたくさんあるので、次回必要な時をお声をかけてください。

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