ドイツのお料理が続いたので、ここで一息入れて気軽なアメリカの定番お菓子を作りましょう。
アップルパイ、チーズケーキに続いてアメリカを代表するお菓子、キーライムパイです。アメリカの家庭のお菓子だけあって簡単です。一応クラストの作り方も書いていますが、面倒なら市販のクラストを使って手軽に作ってください。
アメリカのキーライムパイ
京都の八橋、伊勢の赤福など、日本では津々浦々に銘菓がありますが、アメリカは国家としての歴史も浅く移民の国でもあるので日本ほど各地に名物お菓子はありません。しかし、フロリダ・キーズ(Florida Keys)列島を発祥とするキーライムパイはアメリカでは数少ない地域色の強い全国区のお菓子です。
特徴は、よく売っているタヒチライム(ペルシャライムとも言う)ではなく、フロリダ・キーズに自生するキーライムを材料に使用することです。
キーライムは確かに普段メキシカン料理などに気軽に使われるライムより香りがよく、酸味も強いのですが、小粒で皮が薄いので汁を絞るのが大変でした。お店に売っていないことも多いし、タヒチライムを使って作るのもまあアリなのではないかと個人的には思います。しかしカクテル用に売っている瓶詰めのライムジュースはおすすめしません。やはり絞りたての生ジュースを使うとグンとおいしくなります。
絞られキーライムちゃんたちの墓場。これだけやってなんとか必要な量がとれました。もうほんとにいやな作業でした。この作業が楽になるならタヒチライムで充分だとかいう心情です。
また、ライムの香りを強くしたいときには、きれいに洗ったライムの表面の皮をすりおろしてクラストやフィリングに混ぜるのもアリです。
以下、材料は22センチ(9 inch)の丸い焼き型ひとつ分です。
グラハムクラスト
キーライムパイは、アップルパイなどのパイと違い、小麦粉とバターのパイ生地でなくグラハムクラッカーを粉にしてたもの(クラム)をバターで固めたクラストを使います。
グラハムクラッカーを買ってきて自分でクラムにする場合、フードプロセッサーやミキサーを使うか、厚手のビニール袋やジップロックにクラッカーを入れビール瓶やすりこぎで砕きます。
しかしグラハムクラッカーをあらかじめ粉にしたもの(グラハムクラッカークラム)も売っています。私はこちらを使いました。ちょっと調べたところ、日本のアマゾンでも売っていました。
グラハムクラスト・材料
グラハムクラッカークラム 1カップ(アメリカの軽量カップなので240ccです。重さは約120gでした)
バター 70g
砂糖 おおさじ2
小麦粉 おおさじやまもり1
牛乳もしくは生クリーム おおさじ1
え・・・?小麦粉?牛乳?とお思いでしょう。
通常、グラハムクラストはバターとグラハムクラッカーのみ(任意で砂糖)で作ります。しかしグラハムクラストっていくらきっちり敷き詰めて作っても切ると崩れが出てきますよね。「すでに焼いてあるグラハムクラッカーの粉とバターだけなんだから考えてみると崩れて当然だよな、一緒に焼けて固着する要素ないもんな。。」とか考えた末に、ためしにほんの少しナマ生地的要素として小麦粉と牛乳を加えてみたところ、切り分けたときにも崩れにくい、ねらったとおりの出来上がりになりました。以後、私はグラハムクラストを作るときにはいつも少し小麦粉と牛乳を加えます。味にも質感にもあまり抵触しないと思いますが邪道と言えば邪道だし、ボロボロ崩れるもろいところがかわいいのにわかってないな。。。とか思われちゃうのかな。
手作りするのが面倒なら、出来合いのグラハムクラストを使いましょう。
グラハムクラスト・作り方
1)バターを湯煎、電子レンジなどで溶かし、グラハムクラッカーの粉、砂糖と混ぜます。
フォークなどを使って均一に混ぜます。
2) ここに小麦粉をサラサラと入れて混ぜ、続いて牛乳を振りかけてよく混ぜます。
よく混ざったら、シットリしていて握ると形になるくらいの質感になるはずです。べたべたして手にまとわりつくようなら少しグラハムクラムを足して混ぜてください。
3) 焼き型にグラハムの生地を入れ、手で押し付けてできるだけ全体が均一の厚さになるように整形します。
それにしても私って手が美しくなくてイヤになるな。瀕死の吉良吉影にもスルーされるレベル。
底が平らな小さな器などを使ってギュッギュと押し込んできっちり整形します。
4)340度(摂氏170度)に予熱しておいたオーブンで8-10分ほど焼きます。焼き色がついたりしないよう気をつけて。焼けたら室温で冷ましておきます。
フィリング材料
キーライムの搾り汁 120cc
卵黄 4個
加糖コンデンスミルク 1缶(14oz、384g)
フィリング作り方
もうすごく簡単です。すべて混ぜるだけです。
まず卵黄にーーー
やだ1個こわしちゃった。
コンデンスミルクを混ぜてーーーー
苦労して絞ったライムジュースを加えて混ぜます。分離することはないから大丈夫。
これを冷ましておいたグラハムクラストに流しいれます。
トロリ。
コンデンスミルクとライムの酸が化学反応を起こして濃度が高くなります。かつては焼かずにこの化学反応だけを頼ってフィリングを固めていたそうですが、現在ではサルモネラを警戒し一度加熱させる手順を踏むのが一般的です。
表面をならし、320度(摂氏160度)に温めたオーブンで15分ほど焼きます。オーブンから出し、荒熱が取れたら冷蔵庫に入れて冷やします。
冷めたら切り分けていただきましょう!友達宅に持って行ったので切り分けた写真がなくて恐縮ですが、いい感じに出来上がっていました。特にパーティーみたいなときにはみんな腹いっぱいだけどチョッピリだけ食べたいと思ってるので、小さく切っても崩れにくいのはいいですね。
濃厚で酸っぱさと甘さが強く、いかにも「これがアメリカか~」というようなお菓子です。その分、はじめて食べた人には「何もかもが強すぎてわけがわからない」というような感想をもたれがちですが、これを一度好きになってしまったらフレンチ風の繊細なレモンクリームパイだとかでは到底満足できません。私もたまにすごく食べたくなります。もしスッパすぎるのをやわらげたいのなら、泡立てた生クリーム(無糖もしくは微糖)を表面に塗りつけるといいでしょう。
グラハムクラストは市販のものが手に入るし、混ぜて短時間焼くだけの手軽さなのでぜひ手作りしてみてください。売っているものより自分で作ったほうが断然おいしくできるお菓子です。
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肉、肉、キッシュ、ときてスッキリキーライムパイ、なんかディナーコースみたいですね。
基本、デザートはチョコ、生クリームなワタシですが、キーライムパイとピスタチオアイスがあると浮気してしまいます。
涼しくなってきたし、自作するかー。
オレオレさーーーん!!
そうです、次にアルザスのベタな一品シュクルートのレシピを載せたかったのですが、肉肉そしてまた肉かい・・・みたいな感じになりそうだったのでかるーく簡単でさわやか系のお菓子を入れてみました。私はデザートはブレッドプディング派です。
フロリダで食べました!
こってりした料理のあとに食べたので、とってもスッキリ。
同行した友人らは、基本、お酒が好きで甘いモノが嫌い、な人たちだったのですが、これはおいしい、おいしい、とたくさん食べられてしまいました。
ああ、いつもならデザートは私だけのものなのに。。。