ドイツの肉巻きルーラーデン・黒ビール煮

ドイツのお料理が続きますが、今回のは作りやすくておいしいので日米独いずれにお住まいの方にもおすすめです。手が込んでいるように見えてやってみると簡単なドイツの家庭料理、ルーラーデンを黒ビールで煮ていや増すドイツ感!

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野菜やピクルスを肉で巻いて煮ます。タコ糸で肉を縛る楽しみを堪能できます。

ルーラーデンってなーに?
シュニッツェルやグーラッシュなどドイツでよく食べられる肉料理も「それはもともとはオーストリアの料理で・・・」「それハンガリー料理だし」とかのツッコミがよく入ってしまうのですが、ルーラーデン(Rouladen)は珍しくドイツがオリジナルの肉料理だそうです。

家庭でよく作られるのでレシピは地域や家庭でさまざまですが、要は薄切りの牛肉で野菜やピクルスを巻いて煮るという、手が込んでいるように見えて案外シンプルなお料理です。巻く具でどうしてもはずしてはいけないのはベーコンとマスタードです。その他は玉ねぎ、ピクルスなどが定番ですが、サヤインゲンやにんじん、セロリなどの野菜もよく使われ、時にはひき肉をハンバーグ風に練ったものまで巻いてしまうらしいです。Meat filled with meatとかレストランのメニューに書いてたら二度見しちゃいますね。この辺はお好みで手に入りやすいものを使っていいかと思います。

ルーラーデン用ソースミックスみたいなものも盛んに売っていますが、煮るベースはスープ、トマト、ワインなど多岐に渡っており、こうしたミックスがないと作れないとか難しいと言うものもないです。私はドイツっぽさを更に演出したい気持ちからビール(特に味の濃いダークビール)で煮ますが、ビールのほろ苦さがいい感じのソースになります。手数は案外少なく、煮込み時間もさほどでもありませんがなんとなくゴチソウ風に見えるし実際おいしいのでぜひ試して欲しいです。

材料(二人分)
薄切り牛肉 6枚
ベーコン3枚
マスタード 大さじ2-3
サヤインゲン、にんじん、玉ねぎ、ピクルスなど 適量
バター、ラード、サラダ油など 大さじ1
ビール 一本
コーンスターチ、片栗粉 大さじ1/2-1
塩、こしょう、砂糖 各少々
タコ糸

牛肉の薄切りはむしろ日本のほうが手に入りやすいと思います。脂肪があまり入っていない部位のほうがいいので、モモの厚めに切った薄切り肉だとベストでしょう。あまり薄いようなら1枚と言わず2,3枚使って巻いてください。アメリカならサンドイッチステーキ用に切ってあるのがちょうどいいです。売っているものが厚すぎるようなら肉たたきやビール瓶などで叩いて薄くできます。

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瓶で肉を叩く。けっこう楽しい作業。

ビールは何でもいいのですが、ソースの味に存在感を求めるならダークで味の濃いもののほうが断然好ましい。。。とかいう話をしてたらドテラがドヤ顔で散歩から帰ってきました。

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ドテラ 「ドイツの黒ビール探してきたよ!!ベルギーやチェコでなくドイツの黒ビールでよさそうなのでアストリアで手に入ったのはこの二本だ。さあ味見しなさい。」

ゆう 「まあ・・・・・!!(ポワーン)(栓抜きを片手に)」

ドテラは私のブログに非常に協力的で、アルザスに旅行したのも私が試してみたいと思うような料理がたくさんある地域だからです。余談ですがクグロフ型のみならず、ガレットがおいしかったのでクレープ用のパンを買ってしまいました。あのタケコプターみたいなのももちろん一緒に購入しました。

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飲み比べてみた結果、Schwaben Brau の方が飲んでおいしかったので、もう片方を料理に使うことにしました(まったくもう私ったら)。

作り方

1) 準備として、にんじんを使う場合は皮をむいて細い棒状に切り、塩を入れたお湯で軽く下茹でします。サヤインゲンは筋を取ってこれも下茹でします。玉ねぎは厚めの薄切りにします。ベーコンは半分の長さに切ります。肉の厚みによっては叩いて薄くしておきます。

2) 肉にマスタードをたっぷり目に塗り、ベーコンを乗せます。

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手前から巻いていくのですが、ベーコンは肉よりチョッピリ短いくらいの長さだとちょうどいいです。ベーコンが長いようなら、巻き終わりよりもむしろ巻き始めのほうに多くベーコンがあるようにして、巻き終わったときにはすべての表面が肉になっているようにするとほどけにくくきれいに出来上がります。

3)野菜などを肉の幅と同じくらいの長さに切り、ベーコンの上に置いて巻きます。

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くるくる~。この作業も楽しい。中に巻く具は多すぎないほうがうまく巻けます。

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なんかこう、整った形になっているとそれだけで美しい料理ができていく実感があって気持ちいですね。

4) 野菜を芯に巻いた肉をタコ糸で固定します。爪楊枝や針などを使うと言うレシピもありますが、安易なようで煮にくい、取れやすい、ほどけやすい&危ない、といいことなしだと思います。面倒なように思ってもここは糸で巻いて整形したほうが実は簡単で扱いやすいでしょう。

5) フライパンを強めの中火で熱し、バターを溶かしたら肉の巻き終わりを下にして入れていきます。

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カッチリと下面に焼き目がつくまでは動かさず、強めの焼き色がついたら転がして全面に焼き色をつけます。

6) 全体に焼き色がついたらビールを注ぎます。ビールはまずは肉の高さの半分ほど入れます。後で煮詰まってきたら随時足していきます。

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ジュワジュワーーー。シュワシュワーーーー。なにこの気持ち・・・・・もったいないような、すごい贅沢しているような、それでいてできあがりへの期待感に軽くハイになってしまいそう・・・なのはビールを飲んで酔いが回ってきたからかな?

7) 軽く塩こしょうし、火を弱めの中火にしてフタをし、30-40分ほど煮ます。前述していますが煮汁が減ってきたら随時ビールを足し、常になべ底には煮汁があるようにしてください。たまに肉を転がして、煮汁に浸っている面をかえて全体に味がよくしみるようにしてください。

8) レシピによっては3時間煮ろとかいうものもありますが、筋や骨のある部分でもない薄切り肉なので長く煮れば柔らかくなると言うものでもないです。30分ほど煮てよく味がしみたらそれでオッケです。すぐ食べるのが前提ですが、必要ならこの状態で冷蔵庫に入れて2日ほど作り置きできます。

それでは肉を煮汁から引き上げます。

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縛っているタコ糸を切り、はずします。和はさみとか糸切りはさみとかいう、あの舌切りすずめのばあさんが持ってるハサミがあると出来上がった肉に巻いてある糸を切るのにちょうどいいですよね。台所にひとつ置いておこうかなー。錆びやすそうなんだよなー。

9) 鍋に残っている煮汁の味見をし、必要ならビール、塩、こしょう、少々の砂糖で味を整え、少量の水で溶いた片栗粉またはコーンスターチでとろみをつけ、ソースを作ります。

10) 茹で野菜、ゆでじゃがいも、マッシュポテトなどを付け合せにしていただきましょう!飲み物はもちろんビール。

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こういう巻いたお料理とかテリーヌとかって最初にナイフ入れて切断面見るのすごいドキドキしますね。

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オッシャア(コブシを握る)!!きれいな切り口になっています!さあここ勝ち誇るところ!!

ビールと塩こしょうだけで煮ただけなのに牛肉とベーコンのうまみが充分、そしてダークなビールのほろ苦さと特有のほのかな甘みがいい感じのソースになっています!むしろ変な化学調味料の入ったソースミックスとか使わないほうがおいしくできると確信します。ドテラが「おばあちゃんや母さんが作ったのよりうまい」と言ったんだから間違いないです。

ビールにしても別に銘柄や種類にこだわらず手に入りやすいものを使っても無問題だし、言ってしまえばビールでなくてもワインやスープやデミソースなどで煮てもまったく問題ありません。要点は肉とベーコンとマスタードを使って巻いて煮るということだけだし、わりと簡単&温め返しや作りおきもできる便利なお料理でもある上にお料理を作る充足感とか満足感とかもたっぷりです。材料も手に入れやすいものばかりなので気軽なドイツ料理としてぜひ試して欲しいお料理です。

このレシピは英語でも書いています。
Rouladen Dark Beer Sauce

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ドイツの肉巻きルーラーデン・黒ビール煮」への9件のフィードバック

  1. あっ、これ、食べる重量と満足感のわりに手間がかかる(笑)と思いながら読んでたら、きゃーっ、調理後に二日置けですとぉ。
    手間も時間もかかりますねえ。
    でもそれだけ美味しいんだろうなあ。
    ゆうさん、ナイフ入れて勝ち誇ってますもんね、それだけ充足感もある料理なのでしょう。
    と、ちょい読みしながらコメントしてはまた続きを読むのが癖ですが、・・・・・・あぁーっ、最後のほうで充足感のことが書いてありました。
    それを読む前から感じてましたよ。 
    というわけで、読む者にしっかり伝わってます。

    • あ、スミマセン、それは二日くらい作り置きができるという意味で、作ってすぐでももちろんおいしく食べられます。煮る時間もたぶんカレーとかシチューとかを適当に作るときと同じくらいかと。
      しかしこれは作るのが楽しい料理ですわ~。
      いつもうれしいコメントありがとう♪

  2. 日本ではごぼう巻いてました。でもドイツだとベーコンか。肉肉しくておいしそう!タコ糸なかったら楊枝でいいですよね?試します!

    • 私も最初は「肉に肉かよ」とか思いましたが、両者合わせて料理するとソースもおいしくできるみたいです。
      楊枝でももちろんオッケですのでお試しください~。

  3. ピンバック: Rouladen Dark Beer Sauce | cooklikejapanese

  4. ここのところこのブログを愛用しています(^_^)
    ソース作るところを忘れてそのまま食べましたが、すごく美味しかったです!
    次回はソースもちゃんと作ります!

  5. Yuさん、初めまして。ただいま、期間限定で北ドイツに在住です。ドイツ料理を家庭で作りたくて、こちらのブログを参考にさせていただいてます!(といっても、まだドイツ風ポテトサラダだけですが・・・。)
    ルラーデンを子供用にアレンジしたいのですが、マスタードを塗るのは、やはり必須ですか?
    ソースをかければ、マスタードの辛み(大人用には塗るつもりですが)気にならない程度のものですか?ご存知でしたら、教えてください。

    • コメントありがとうございます&返信がすごく遅れてすみません!
      ルーラーデンのマスタードは出来上がったときにはほとんど辛味を感じません。欧州のマスタードは辛口と書いてあるものでも日本のおでんに使うカラシのような強い辛味はありませんし、お子さんにも問題ないと思います。
      ただ、マスタード特有の風味と酸味はありますので、そのへんが苦手そうなら使わないほうがいいかもしれません。
      ドイツは今ちょうどアスパラの時期ですよね!季節ものなので堪能してください~。

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