ワイルドサーモンのア・ラ・ナージュ

バターフィッシュに続いて魚のレシピで恐縮ですが、アメリカでは今がワイルドサーモンの旬です。チョッピリ値が張るけど食べると納得のおいしさのお魚、せっかくなのでいつものおかずではなくごちそう風にお料理しましょう!

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フレンチのコジャレたタイトルにしてしまいましたが、簡単で作りやすくて失敗しにくいレシピです。

ア・ラ・ナージュ(a la nage)というのはフレンチのお料理の手法のひとつで、充分な量の軽いスープで茹で煮するものです。たっぷりの水分の中で弱い火加減でゆっくり火を通し、火を止め余熱を入れて仕上げるので、できあがりはほんとにやわらかシットリ。しかも火加減だけ気をつければ失敗の要素はほとんどなく、簡単にゆで汁の風味をやさしくまとったとても上品なお料理が作れます。

ほとんどのレシピでは塩味の薄いブイヨンなどをゆで汁に使い、煮あがったら具をを取り出してゆで汁を煮詰めてソースにしますが、私はワインと水だけを煮るのに使い、ソースは別に作ったものを使います。このほうが簡単だし、応用もしやすいから。

アメリカのサーモン事情
冒頭に書いたように今は(夏から秋にかけて)アメリカではワイルドサーモンの旬ですが、実は鮭はアメリカでもっとも消費の大きな魚なのですがそのほとんどは養殖もので、その割合は市場で出回っている80%とも90%とも言われています。
養殖といっても孵化場・養殖場で生産されているものはおよそ30%、そしておよそ50%が沿岸部をネットなどで囲むなどする水産養殖だそうです。養殖モノだからといって変に不自然なものとも限りませんが、PCBなどのダイオキシン、塩素系殺虫剤、食食料などの含有量が自然のものよりも多いという研究結果は複数発表されています。

また、ワイルドと言って売っている鮭も検査したら実は養殖モノだったということもよくあるらしいです。これは詐称というよりも、ワイルドフィッシュであることの定義が確立していないということなのかも知れません。

あまり神経質になるのもどうかと思うタイプなので、せっかく今が旬だし食べるととてもおいしいし、いつもの鮭より体にいいなら大歓迎♪くらいの気持ちでいただきました。天然モノにこだわらず気軽に作ってください。

材料

白ワイン
塩、こしょう
砂糖
好みのハーブ、レモンなど

今回、私は風味付けにタラゴンとレモンを使いました。この他にもオレガノ、セージ、タイムなどがよく合いそうですね。
材料の使用量は鮭の量と鍋の大きさによります。

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作り方
1)鮭を一人分ずつ給仕する大きさに切ります。

2)すべての鮭が重ならずに入る大きさの鍋を用意します。深いものより浅いものの方が鮭を取り出すときに容易だと思います。テフロンのフライパンが一番いいかも。

鍋底に、使用するハーブやレモンを敷きます。
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3)その上に鮭を並べます。
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鮭の切り身がすっかり水に浸るくらいの量の茹で汁が必要なのですが、私は白ワインと水を半々にしたものを注ぎます。ワインと水の割合も厳密に1:1でなければならないと言うものではもちろんありませんので、適当にドブドブと注いでしまいましょう。

ここに、ごく軽めに塩を入れて茹で汁に薄く味付けをします。ほんの少しの甘みがあると味がふくよかになるので、砂糖をチョッピリ加えます。

4)紙蓋をしてから鍋にフタをし、弱めの中火にかけます。

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紙蓋はホウ酸紙でもキッチンペーパーみたいなものでも、どちらでもオッケ。加熱&余熱している間、鮭の切り身の上部も常に濡れている状態にしておきたいからです。

5)くつくつと軽く沸騰してきたら火を弱火に落とし、フタをしたまま10-15分ほどゆで煮します。加熱時間は鮭の切り身の大きさや量で加減してください。

その後火を止め、フタをしたままゆっくりと冷まします。煮物の味は加熱されている間に煮汁に放出され、冷却されている間に材料に吸い戻されるからです。
これが理由でスープを取るときなんかは熱いうちに漉さなきゃならないし、煮物なんかはちょっと冷めたくらいのときがおいしいのですね。

6)冷ましている間にソースを作りましょう!どんなソースでもいいのですが、今回私は茹で汁の風味に合わせてタラゴンとレモンを使ったソースにしました。

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タラゴンはハーブの中でも香りや味が強い方で、色はみどりが濃く、キリリとさわやか系の風味です。料理の味を劇的に変化させることから「魔法の竜」と呼ばれている・・・という記述がwikiで見られました。パフ・ザ・マージックドラーゴン♪とか歌いながらタラゴンを細かいみじん切りにしましょう。

ボウルにみじん切りのタラゴン、ヨーグルトとマヨネーズを同量ずつ、レモン汁少々を加えてよく混ぜます。
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7)鮭の切り身がほんのり温かい頃が食べごろです。そっと紙蓋を取り除いてみましょう。

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しっとりふかふかでおいしそう!

茹で汁から鮭を取り上げて皿に盛り、茹でたじゃがいも、アスパラなどを付け合せてソースを添えていただきましょう!
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おお、これは。。。。やはりワイルドサーモンだと脂っこさが軽いのに味は濃い。そしてふんわりしっとりしていて、ほんとにやさしくて上品な感じです。魚の身にもソースにも使ったレモン&タラゴンの風味もステキ。おいしいわぁ~。

作る手順にはほんとに難しいところはあまりなく、初心者さんでも上手に作れるおいしいレシピだと思います。風味をつけるハーブも好みのものを自由に使えるし、ソースもマヨネーズ&ヨーグルトに限らず、ホワイトソースや、卵黄とオイルでゆるく作ったソースなどいろいろ取り合わせられます。鮭も天然とか養殖とかにもあまりこだわらず気軽にお試しください。

参考:
Salmon: Factory Farm vs. Wild
Wild Salmon Center
Stores Say Wild Salmon, but Tests Say Farm Bred

このレシピは英語でも書きました。
Poached Wild Salmon

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ワイルドサーモンのア・ラ・ナージュ」に5件のコメントがあります

  1. 今日、ア・ラ・ナージュに挑戦し、大成功をおさめました。ありがとうございます! フィアンセのChrisも大喜びでした。質問。。。皮はつけたまま調理し、盛り付けのときにとりはずしますか、それとも、つけたままにされますか?

    1. コメント&レシピお試しありがとうございます。
      私は鮭は皮をつけたまま料理します。私は皮も食べてしまいますがドテラは残しちゃいます。好き好きでいいんじゃないかと。
      基本的に白身の魚は白ワインの方が一般的ですが、鮭は赤ワインのアラナージュもあります。おいしいですよ!
      その時はレモンよりもオレンジのほうがよく合うと思います。お試しください~。

  2. また、他の魚でも使えますか?ワインは白と赤とではやはり白でしょうか。色々すみません。

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