クリスマスの思い出のケーキ

うぎゃー間に合わなかったー!ハナちゃん募金でリクエストをいただいていたカポーティの短編小説「クリスマスの思い出」のケーキです。物語の内容をもとに私の想像でレシピを作成しました。


村上春樹の和訳で出版されていますが、ネットでもこちらのサイトで翻訳を載せてくださっている方がいます。
原文はこちらにあります。

「クリスマスの思い出」
舞台は禁酒法施行中のアメリカ、作者が幼年時代を過ごしたアラバマです。禁酒法は1920年から1933年までですからアメリカでは第一次大戦特需で急速に経済力をつけてブイブイ言い始めてきたころですが、この物語の主人公はサトウキビの茎で釣り竿を自作したり風落ちのペカン(ピーカン)を拾ったりしてます。大量生産、大量消費時代以前のアメリカの生活の一例としても面白いのですが、なにより登場人物が魅力的だし読むたびに胸がキュンと切なくなります。

文中、レシピ作成に関して大きなヒントがいくつかありました。

買い出しだ。さくらんぼにシトロン、ショウガやヴァニラ、ハワイ産のパインアップル、オレンジの皮や干しぶどう、くるみにウィスキー、そうそう、小麦粉もバターも卵もスパイスも香味料も山ほど。

材料がこれでいくらか特定できました。シトロンはレモンピール、オレンジの皮はオレンジピールでしょうか。さくらんぼは缶詰とか冷凍とかじゃなくてたぶんこんなのじゃないですか。

私は普段こうした着色料がガツンと攻めてくる食材はあんまり使わないのですが、このケーキには悪趣味の範疇に片足乗っちゃってるような色彩の豊かさが望ましいと判断しました。アメリカのトラディショナルなフルーツケーキにはこの色味は必須でしょ。くらいに。この際だから緑も入れてしまえ。クリスマスカラーだ。

それからショウガもパウダーだったり生のおろししょうがだったりじゃなくてこんなのだと思う。

砂糖がけの干ししょうが。日本でも売ってるんでは。

スパイスはおそらくシナモン。あとはクローブ、ナツメグ、オールスパイスあたりかな?と骨組みが見えてきたところでこんな材料を使うことにしました。

このレシピ作成に当たり、私の蔵書の中からアメリカ料理本の古いのを引っ張り出してクリスマスケーキとかフルーツケーキとかのトラディションを学習しました。こんなことやってるから時間かかるんだよな私。

材料(12x22x6cmのパウンドケーキ型ひとつ分)
ドレンチェリー 100g(赤50g、緑50gでもよし)
しょうが 砂糖漬け 30g
パイナップル 砂糖漬け 50g
レーズン 100g(ダークレーズン50g、ゴールドレーズン50gでもよし)
くるみ 40g
ピーカンナッツ 40g
レモンの皮 一個分
オレンジの皮 一個分

バター 200g(室温で柔らかくしておく)
砂糖もしくはグラニュー糖 70g
ブラウンシュガー 70g 
卵 4個 
小麦粉 200g
バニラエッセンスもしくはバニラエクストラクト 適量
ベーキングソーダ 小さじ1/4
ベーキングパウダー 小さじ1/2
粉末シナモン、クローブ、ナツメグ、オールスパイス 好みで各適量
ウイスキー おおさじ1-4 お好みで増減してください

作り方
1) まずは中に入れる具の準備をします。ついラム酒に漬けたレーズンなどを使いたくなるところですが、直前の買い物リストに干しブドウとあるところを見るとあらかじめ漬けたりはしてないみたいなのでレーズンは下準備なしでそのまま使っちゃいます。
しょうが、パイナップル、チェリーをそれぞれ刻みます。

しょうがは歯に当たった時のさわやかさが身上だけど風味は強いので薄切りに、パイナップルは強すぎる甘味が他を駆逐しないように小さめに、チェリーは色が主張するように大きめに切ってみました。

くるみとピーカンナッツは軽く乾煎りしてから大きめに刻みます。乾煎りするのはひと手間だけど、香りと歯ごたえがドンと向上するので私はこの手間は惜しまない。

私の住む近所でレモンピール、オレンジピールのどちらも手に入らなかったのでここでは私は皮を薄くむいて使うことにしました。

こんな道具がなければおろし金で表面を薄くおろして使ってください。


すべての具をひとまとめにボウルに入れておきましょう。

2) 次に粉類の用意をします。ボウルに小麦粉、ベーキングパウダー、ベーキングソーダ、各種スパイスを入れ、泡だて器でぐるぐると混ぜます。

この物語の主人公らは粉を振るったりはしなそうだし、これでいいことにしよう。

3) いよいよバターと砂糖です。ああテンション上がる。私きっとバターと砂糖を存分に使って料理するだけでドーパミンやセロトニンが分泌されるようになってる。食べても血糖値が上がらないとか脂肪を蓄えないとかへの進化もきっともうすぐだ。

で、作品中にひとつ気になる内容がありました。

卵を入れた泡立て器をぐるぐるとかきまわし、スプーンはバターと砂糖の入ったボウルの中で円を描く。ヴァニラの甘い香りが空気を満たし、ショウガがそれにスパイスを効かせる。

ほほう。卵を入れた泡立て器とな。まさかスポンジケーキ作るときみたいに卵を共立てしてるのかしら。。。とか思って原文見てみたら“Eggbeaters whirl,…”となっていました。なんだアレだ。手回し式の泡だて器(Eggbeaters)をぐるぐる回してるってことで別に卵をなにかしてるのではないみたい。

4) なので普通のバターケーキを作る手順でやっていきましょう。
柔らかくしたバターを泡だて器で混ぜ、数回に分けて砂糖を加え、都度よくかき混ぜます。

砂糖は普通の白砂糖でもいいのですが、ブラウンシュガーのコクがあるのもスパイスによく合うかと思って。

5) ここに溶いた卵を少しずつ加え、よく混ぜて行きます。もうね、分離とか気にしないほうがいいと思う。ケンタッキーバターケーキ作った時にも思ったけど、アメリカの家庭のベーキングでは分離とか気にするレシピはほとんど見当たらない。


たいていのバターケーキのレシピでは卵を一個ずつ入れろと書いてあって、かつベーキングパウダーとベーキングソーダの両方の膨張剤を使います。これで膨らみを出すんですね。


バニラもここで入れちゃいましょう。

6) 2)の粉類と1)で用意した具を混ぜます。具材が粉をまとうのでまんべんなく生地に混ざるし具が沈むこともなくなります。

7) 5)のボウルに6)を数回に分けて加えます。ゴムベラでさっくりと混ぜてください。

ネッチリした感じになると思います。

この生地なめただけですでにおいしい。

8) 焼き型にバターを薄く塗り、軽く小麦粉(どちらも分量外)をはたきます。

9) オーブンを160度に温めます。

10) 8の焼き型に7の生地を入れます。硬い生地なのでヘラでボトンと落とし入れ、ヘラで表面を鳴らす感じになるでしょう。型の底を台などにトントンと打ち付けて空気を抜きます。

11) このケーキにはあか抜けない田舎のおばあちゃんがデザインするような飾りがふさわしいかと。

うわーいい感じのダサさ。

12) 温めたオーブンに入れ40-50分ほど焼きます。オーブンの癖もあるし、上火のみのオーブンなら焼き色が強くついてしまうかもしれません。途中でアルミホイルをかぶせるなどしてください。

13) 竹串を刺してみてきれいだったらオッケ!

14) そしてお楽しみ。ここにウイスキーをかけます。

誰よもう飲んでるのは。

十一本のフルーツケーキ、ウィスキーをふりかけられて、窓の台や棚の上でひなたぼっこをする。

こんなにはっきりと、ウイスキーは生地に混ぜるのではなく焼き上がりに振りかけると書いてある。やっほう!ジャブジャブかけてもいいんだけど、刷毛で打つとまんべんなくできますね。でもなんでわざわざ窓際とかの陽に当たるとこに置くのかしら。

ウイスキーの使用量ですが、1リットルの密造ウイスキーを30本のケーキに使って瓶の底にまだ5センチほど残ってるそうな。なんだ、大した量じゃないのね。でも私たちは欲しいだけ酒が買える時代に生きているので好きなだけかけてしまおう。「このケーキ子供はダメよ~」くらいに。

これ、実はまだ食べてないんです!だってうちシュトレンあるし。もう二本も完食しちゃってるし。それにこのケーキは11月末に作るクリスマスケーキらしいから少し時間置いてからの方がおいしいようにも思えるし。
なので切った断面とかは後ほどアップしますが、クリスマスなので大急ぎでレシピは公開します。ほんとに遅れてスミマセン。リクエストをくださった方、もし楽しみにしていらしたらほんとにすみませんでした。


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クリスマスの思い出のケーキ」への1件のフィードバック

  1. ゆうさん
    MerryChristmas

    クリスマスの思い出のケーキを再現
    素敵ですね
    美味しそうです
    いっぱいの食材凄いですね
    丁寧なレシピありがとうございます。

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