煮豚と半熟煮卵

新ホストへの移行に手間がかかってしまい新年のおせちをアップできなかったのが残念ですが、正月にかぎらずいつ作って食べてもおいしい煮豚&煮卵のレシピ、過去レシピを書き直しつつすべて新しい写真で再紹介です。エビじゃなくて豚&卵に注目してほしいところです。

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この写真ではおせちに作ったので日持ちさせたく半熟というよりは固く煮えていますが、たまごも半熟トロリな感じにできあがるレシピですよー!

材料
豚肩肉  1キロ程度のかたまりひとつ (今回私はかたまりをふたつ使っています)
油 おおさじ1
ネギ  スカリオンなら2,3本、日本の長ネギなら1/2くらい
にんにく 3,4片、皮をむいてつぶす
しょうが 薄切り4,5枚
鷹の爪 好みで1本ほど。なくてもオッケです。
しょうゆ 150ccくらい
酒 600-750ccくらい(赤ワイン、ビールでもまったく問題ないです)
たまご 好きなだけ
塩こしょう

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酒:しょうゆが4:1から5:1くらいの割合の煮汁にしていただければ、あとの材料の量は適当です。肉が煮汁にひたひたになるようにしたいので、酒としょうゆの使用量は鍋の大きさや使う肉の大きさに合わせる必要があると思います。私は甘みがないほうがスキ&あとで煮汁でラーメンスープを作ったりするので使いまわしがしやすいため砂糖やみりんは入れませんが、好みでお使いください。八角などを使ってチャイナ風にするなら甘いほうがいいですね。

準備
豚の肩肉のかたまりはタコ糸で形を整え、塩こしょうをすり込んでおきます。

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緊縛!フフフ・・・これからゆっくり料理してやるぜ。

(すごいどうでもいい余談ですが「緊縛」で検索してみたら「着衣緊縛と全裸緊縛とどちらが興奮しますか」という質問が1ページ目に表示されていて、しかも着衣緊縛派が圧倒多数だったことに納得のような意外なような・・・いや当初は豚肉をタコ糸で縛る方法をわかりやすく書いてるサイトを探していたんですよ。ほんとです。)

作り方

1) 厚手のフライパンなどに弱火で油を熱して、ネギ、しょうが、にんにく、唐辛子を炒め、油に香りを移します。

2)いったんネギ、しょうが、にんにく、唐辛子を鍋から取り出し、強めの中火にして豚のかたまりの全面に焼き色をつけます。香味野菜を取り出すのは、そのまま一緒に鍋に入れておくと焦げてしまうからです。

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すべての面に焼き色をつけるには、いきなり鍋に肉を転がして広い面積の部分を焼き付けてしまわずに、手で支えて底面積の小さな面から焼くのがラクチンかと思います。こういう料理を作るときにほんと思うんだけど、ホウロウ引きのルクルーゼよりもキャストアイロンむきだしのストウブやダッチオーブンのほうが断然好きです。

3)全体にいい焼き色がついたら香味野菜を鍋に戻し、酒を注ぎいれます。

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このとき鍋はかなり高温になっていて、地獄のように沸き立つので湯気でヤケドしないように注意!鍋のふちが低いとお酒に引火してしまったりしかねないのでご注意ください。

4)そのまま煮込める鍋ならそのままでいいのですが、フライパンなどで焼きを入れていた方はこの段階で煮込み鍋にすべての材料を移してください。肉の塊がキッチリ入るようなジャストな大きさの鍋よりは、すこし余裕のある大きさの方がいいです。なぜならあとで卵を入れるからです。

5)鍋にしょうゆを入れ、味見をし、肉のかたまりがひたひたくらいになるように必要なら酒も足してください。このとき、日本酒ではなくビールやワインをお使いの方は「・・・なんかやっぱビール(もしくはワイン)の味が強すぎてヤバイんじゃね、コレ煮豚として?」くらいに思ってしまうかもしれませんが、煮ていくうちに豚味がうまいこと全体をまとめてくれるので大丈夫です。

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また、かなりアクが出てくると思いますが、できるだけ丁寧に掬い取ってください。フタをして強めの弱火くらいの火加減で2時間ほど煮ます。途中、30分おきくらいにひっくり返します。アクが出てたらまた取り除いてください。

6) そしてこの間に半熟たまごをゆでて殻をむいておきます。思ったとおりのゆで加減にするには、お湯をたっぷり沸かして沸騰したところに卵を入れ、卵を入れた時点からゆで時間を計るのが確実な方法だと思います。

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冒頭の写真にありますが、これはおせちに使ったので日持ちがするようにカッチカチではないけど半熟ではないくらいのゆで加減で、沸騰したところに卵を入れてからぴったり7分計って、すぐに冷水に取ったものです。目安としては5分半から6分ほどゆでるとちょうどよく黄身がトロリとなります。これ以上やわらかいと殻をむくのに苦労します。

7)肉は1キロほどのかたまりなら、弱めの火でも2時間も煮れば火が通ってるはずです。小さなかたまりならもっと短い時間でオッケです。「長く煮込めば煮込むほど肉は柔らかくなるはず・・・」と思ってしまいがちですが、この頑迷な迷信にたいして安全ちゃんが一閃を投じてくれています。

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肉のタンパク質は大きく分けるとスジなどコラーゲン部分とそれ以外に分かれています。コラーゲン繊維は加熱によって一旦固くなるのですが、さらに加熱を続けるとゼラチン化して柔らかくなるという性質。そのため、スジが多く固い肉は長時間煮込むことで軟らかくとろりと仕上がるのです。でも、それは焼いただけでは食べられないような固い肉の話。スジ以外のタンパク質は長時間の加熱によって再び柔らかくなることはありませんから、スジが少ない柔らかい肉の場合は、長時間加熱してもパサパサになるだけで、肉が元々持っていたジューシーさをかえって損なう結果になってしまいます。

フライパンひとつで本格的!煮込まずできるチキンのトマト煮by安全ちゃん
より引用

また、肉はゆっくりと加熱し低温で煮るとやわらかシットリに煮あがるという性質もあるので、終始強めの弱火程度の火加減をキープします。

8)二時間ほど煮たら、ゆで卵を煮汁に沈めて火を止め、フタをして一晩寝かせます。温度が下がっていくときに具材に味がしみていくので、ゆで卵は熱い煮汁に浸してゆっくり冷めていくに任せればオッケなのです。

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スッカリ沈めるには煮汁が足りない場合には、数時間後に一度転がしてやってできるだけ卵の全体が煮汁に浸かるようにしてあげてください。また、すっかり鍋が冷めたあとで冷蔵庫または冬の戸外に出したりしておくと表面に白く脂肪がかたまり、簡単に取り除けます。

9)一晩ねかしたらいよいよ切ってみましょうか。タコ糸を切って、好みの厚さに切ります。脂身の少ないヒレ肉とかを使っちゃうとボロボロして切りにくいかもしれません。そんなときは無理にスライスしようとせずに繊維に沿ってザックリと切る、もしくは手で割っちゃったほうが良かったりします。

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さあどうです!いい感じでしょう!

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そしてたまごもいい感じでしょう(元旦の朝、新春の初ドヤ顔でした)!

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すぐに食べないぶんはタッパに入れて冷蔵庫に入れておけば、清潔に扱う前提で一週間は大丈夫です。

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そして煮汁がたっぷり残っていると思います。これは一部を使ってラーメンスープ(しょうゆ味)を作ったり、炒め物やチャーハンの味付けに重宝しますが、大半は容器に入れて冷凍庫に保存し、次回に煮豚を作るときに使用すればたっぷりの鮭や醤油を無駄なく再利用できるし、味も深まっておいしくできます。

煮汁はできれば布かペーパータオル、もしくは目のこまかい網などで漉してから冷凍してください。煮ている時にアクを丁寧にすくいきってなければ、なんだかどろどろした汚い感じになったりしますのでご注意。

利用レシピ

煮豚も煮卵もそのまま食べてもとってもおいしいのですが、けっこういろいろ使えて便利ですよー。

まずはおせちに飽きたら食べたいもの・ナンバーワンの座をほぼ永年キープしているラーメンをチャーシュー麺にアップグレード。鶏がらスープなんかをベースに、煮豚の煮汁でしょうゆ味にしてラーメンをいただきます。

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毎年お歳暮に菊水の寒干しラーメンをドッサリ函館に送ってくれるいとこがいるのよ。半分は母がNYに送ってくれるので毎年この時期ドテラがUSPSのトラックにそわそわしますね。カヤちゃーん、毎年アリガトー!!

そして煮豚のスライスを軽くフライパンであぶったところに煮汁をジュッとかけたものを、アツアツご飯に焼き海苔をちぎって乗せた上にたっぷり並べて煮卵とネギをトッピングしたデブご満悦丼。

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肉&しょうゆ&飯=最強の満足。やばいなこれ。

・・・というように、いろいろ使えてとってもおいしく、わりと日持ちもする便利なお料理です。外国の方にお出しするなら、冷たいままでオードブルにしてもよいし、かるく温めて厚く切ってハムステーキのように皿にのせ、ポテトや青物を添えてチラッと煮汁をかけてナイフとフォークでいただくようにするとメインにも使えます。ぜひおためしください。

I have this recipe in English, too!
Pork with soft boiled eggs

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煮豚と半熟煮卵」に13件のコメントがあります

    1. いつもいつもコメントありがとうございます。
      煮豚は鍋だけでできるので、煮る時間はかかるけど焼き豚よりも手数が少なくて間違いなく作れるので、ついいつも作ってしまいます。卵も酒のつまみに最高だったりします。

  1. 初めまして
    大阪から毎回楽しみにブログを読んでいます。

    角煮とてもおいしそうですね。ブログのお料理全ておいしそうで涎が止まりません(^q^)

    海外の生活も楽しくかかれてあってワクワクしながら読んでます。これからも、楽しみにしてます!

    1. 初コメありがとうございます!
      大阪はおいしいものがたくさんでうらやましいですよー!奈良に住んでいたことがありましたが、やっぱり大阪まで出ておいしいものを食べることが多かったです。今後ともよろしくお願いします♪

  2. うわー、と食べたくなってしまったので、今日、お肉を買いました。
    明日は大雪で家から出れそうもないので、作ってみます!!
    ああ、晩酌に最高。

    1. あけましておめでとう!
      たぶん圧力鍋で作ると早いと思うわ。
      今年こそ圧力鍋欲しいと思ってるさー。

  3. Yuさん、いつもアップ楽しみにしています。豚煮ですが、「終始強めの弱火程度の火加減をキープ」をもう少し教えていただけますか?グツグツだと強すぎますよね。安全ちゃんは蒸す方法も勧めているようですが(終始80度ぐらいをキープするとのことで)、それで一体火は通るのでしょうか。火加減をちょっと強くするとパサパサになるし、弱いと火が通ったか心配で……

    1. はじめまして、コメントありがとうございます。
      火が通るというのは、食材が安全に食べられる温度にまで加熱されたということなのですが、肉の場合は75度で一分以上の加熱というのがガイドラインです。なので鍋中の温度を80度程度にキープして、肉の中心がそのくらいの温度に達するのに充分な時間をかければ安全ということになります。気長に煮て、心配なら食材用の温度計を肉に刺して確認するといいかと思います。ご参考まで。

  4. クリスマス時期にドイツ人彼とその家族に煮豚丼にして食べてもらいました!
    大好評でしたよ!
    Yuさんのレシピはどれ作ってもはずれがないので、毎回更新を楽しみにしてます!

    1. そうそう、このお料理わりとドイツの人も喜んでくれますよね。
      今後ともよろしくお願いします。

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